福島交通・会津バス、キャッシュレス決済を開始 デジタル責任者語る「現金を減らしたい理由」
福島交通、会津バスなど7社は9月11日、福島交通と会津バスが運行する路線バス全車両と福島交通飯坂線で、キャッシュレス決済サービスを開始する。
福島交通、会津バスなど7社は9月11日、福島交通と会津バスが運行する路線バス全車両と福島交通飯坂線で、キャッシュレス決済サービスを開始する。キャッシュレス決済サービスを導入することで、地域の交通機関の利用促進と利便性向上を図る。現金からキャッシュレスへの移行を進めることで、オペレーションコストなどを減らす狙いだ。
人手不足を解決する「次の一手」 他のメリットとは?
福島交通・会津バスの運行する路線バス全車両(約500台)と、福島交通飯坂線の全駅を対象とした。9月11日にクレジットカードやデビットカードなどのタッチ決済を、10月16日に電子マネー決済、QRコード決済、NORUCA Webサービスを開始する。
キャッシュレス決済サービスは、福島交通、会津バス、三井住友カード、ジェーシービー、QUADRAC、トランザクション・メディア・ネットワークス、レシップの7社で取り組む。クレジットカードやデビットカードなどのタッチ決済はVisa、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯で、Mastercardは順次追加予定としている。
電子マネー決済はWAONとnanacoを導入。飯坂線券売機のみ、交通系電子マネーの利用が可能だという。QRコード決済はPayPay、楽天 Pay、d 払い、メルペイ、au PAY、J-Coin Pay、Alipay、WeChat Payを対象とした。
路線バスでタッチ決済を利用する場合は、 乗車時と降車時にカードやスマートフォンを決済端末にタッチする。電子マネー決済やQRコード決済の場合は、乗車時に整理券を取り、降車時に整理券を投入して決済手段を選択する。電子マネーはカード読み取り部にタッチし、QRコードはカメラにかざして支払う。
飯坂線でタッチ決済を利用する場合は、乗車時と降車時に改札機にカードやスマートフォンをタッチする。電子マネー決済やQRコード決済の場合は、乗車時にキャッシュレス決済対応の駅券売機で切符を購入し、降車時に駅係員または車掌に切符を渡す。
ICカード「NORUCA」「AIZU NORUCA」の新たなサービスも10月16日に開始する。両カードの共通利用やWebでの定期券購入サービス、オートチャージサービスを展開するという。
日本全国の公共交通事業者を対象に開催された「stera transitシンポジウム2024」で、グループ全体のデジタル化の推進責任者を務めるみちのりホールディングスの桔川勉グループディレクターは「ドライバー・人手不足といった課題を解決していくためにはコーポレートトランスフォーメーション(CX)を実践し、新たなテクノロジーやコンセプトの社会実装を通じたDXに挑んでいかなければならない。事業者自らが率先して取り組むことが大事で、キャッシュレス決済もその一つ」と説明した。
バス事業者がキャッシュレス決済に取り組む意義としては「現金の取り扱いを少なくすれば設備投資やオペレーションコストも大幅な効率化をできる」と意気込む。インバウンドの回復・増加が顕在化する一方、ドライバー不足など地域公共交通を取り巻く環境は厳しさを増す。そんな中、今回のキャッシュレス化はバス事業者の生産性向上に寄与するか。
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