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「桃鉄 教育版」導入が1万校を突破 「社会」の授業以外でも使われている理由小学校シェア25%(4/4 ページ)

人気すごろくゲーム『桃太郎電鉄』の教育版が、全国約1万以上の学校で活用されている。開発のきっかけや意外な使われ方を聞いた。

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意外な使われ方も


桃鉄シリーズのプロデューサーを務めるコナミデジタルエンタテインメント シニアプロデューサーの岡村憲明氏

 読者の中にも「地理は『桃鉄』で学んだ」という人は多いだろう。教育版についても、基本的には社会や地理の授業での利用を想定していた。一方で使い方は学校や教師にゆだねていることもあり、例えば「算数の授業で利益率を学ぶため」「国語の授業で難読漢字を学ぶため」「クラス替え後のコミュニケーション活性化を図るため」「総合的な学習の時間で探究的な見方・考え方を学ぶため」といった、想定外の活用もされている。

 そのほか「休日明けの月曜日」にあえて利用している学校もある。ベータ版のテスト時には「教育版の桃鉄をきっかけに、学校に来るようになった元不登校の生徒もいた」という。

 岡村氏は「『桃鉄』だけやっていれば地理ができるわけではないが、授業や学校生活と向き合うきっかけ、地理に興味を持つ入り口として貢献できていればうれしい」と話す。

 同社は2024年4月、東京大学大学院情報学環と「桃鉄 教育版」の教育的価値に関する共同研究を開始した。2024年度内には一定の研究結果を発表する予定で、導入実績を基にした教育的価値の実証が期待される。


共同研究の開始を発表

 今後は教育現場からのニーズが高い「特定の町を追加できる機能」をアップデートするほか、インターナショナルスクールなどでの活用も期待できる多言語対応、世界を舞台にした『桃太郎電鉄ワールド 〜地球は希望でまわってる!〜』の教育版などを検討しているという。


『桃太郎電鉄ワールド 〜地球は希望でまわってる!〜』は世界の地名や名産品のほか、国や地域の旗の情報も充実

 シリーズ最新作「桃太郎電鉄ワールド 〜地球は希望でまわってる!〜」(2023年11月に発売)では、日本国内だけでなく世界366都市を物件駅として収録している。教育版の対応にも期待が膨らむが、「地図がこれまでの平面ではなくシリーズ初の立体的な球体マップを採用したので、それをGIGAスクール構想の端末で動かすにはどうすべきか、研究を進めている。また『世界版もほしい』という声が届いているので、将来的に進めていきたい」としている。

 「桃鉄」シリーズは発売から35年以上がたつ。教育版の今後の展開に注目したい。

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