「桃鉄 教育版」導入が1万校を突破 「社会」の授業以外でも使われている理由:小学校シェア25%(3/4 ページ)
人気すごろくゲーム『桃太郎電鉄』の教育版が、全国約1万以上の学校で活用されている。開発のきっかけや意外な使われ方を聞いた。
ゲームソフト版との違い
教育版はゲームソフト版との大きな違いとして、生徒同士のトラブル要因にもなり得るキャラクター「貧乏神」を出現させないようにしている。また、授業の時間内で使えるように学ぶ地域やプレイ時間を設定できる管理機能、難読漢字でも生徒が読めるよう「ふりがな表示機能」などを実装している。
「クイズ機能など、ゲームソフト版にはない教育的な要素を入れることも考えたが、正頭先生からの提案もあり『桃鉄』の良さはそのままに、先生が授業で使いやすい機能を実装した」
「桃鉄 教育版」の提供にあたって特に配慮したのは、「GIGAスクール構想」の端末で使えることだ。GIGAスクール構想とは文部科学省主導で2019年に開始された取り組みで、全国の公立学校で学ぶ児童や生徒に対して1人1台の学習用端末と高速ネットワークを整備するというもの。
当初はアプリ版のみの提供も検討していたが、教育機関向けのPCまたはタブレット端末の設定によってはアプリの導入でつまずいてしまう可能性があることが分かった。そこで現在は、URLとパスワードを入力するだけで利用できるWebブラウザ版をメインで提供している。
IDを発行している約1万校の内訳は、公立が9割で、私立が1割ほど。「公立が多くなると想定していたが、結果的に日本の学校の公立・私立の割合と大きく変わらなかった」
順調に導入が進んでいる理由として、同社は「『桃鉄』そのものが30年以上前からあるゲームで、現役の先生の中にも『桃鉄』で地理を覚えた人もいる。GIGAスクール構想でPCやタブレット端末の利用機会が増える中、実際に教育版を活用した先生の間で『授業でも桃鉄が使える』といった声が増えていったのも大きいのでは」と分析している。
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