コラム
ウイスキー蒸溜所「1万円ツアー」が盛況 サントリーが強気の値付けでも、満席が続く理由:火曜日に「へえ」な話(3/5 ページ)
サントリーのウイスキー蒸溜所が盛況である。大阪の山崎と山梨の白州にそれぞれ蒸溜所があるが、いずれも来客数が増えている。その理由を取材したところ、気になるツアーが盛り上がっているという。それは……。
好調の要因は3つ
山崎の来場者は高止まりが続いていて、白州はまだまだ伸びしろがある。ウイスキー蒸溜所の広報を担当している正田恵さんは、好調の要因を「3つ」挙げる。
1つめは、ウイスキー市場が伸びているから。「人気のウイスキーがどのようにつくられているのか」「蒸溜所でちょっと飲んでみたい」といった声があって、ツアーに参加している人が増えているようだ。
2つめは、100億円規模の改修を実施したから。山崎と白州で2023年から大規模改修を行っていて、「どのように変わったのかな」「リニューアルした施設を見たい」といった理由で、足を運ぶ人が増えているようだ。
3つめは、案内スタッフのスキルが向上したから。筆者も案内スタッフと話をする機会があったが、とにかく詳しいのである。ウイスキーに関する知識が豊富で、ちょっとマニアックな質問に対しても、きちんと説明してくれた。
ウイスキーのつくり手でもないのに、なぜ詳しいのか。背景に「コロナ禍」が関係しているそうだ。「新型コロナの感染が広がって、蒸溜所も受け入れが難しい状況が続きました。案内スタッフは案内したくてもできない日が続いたので、であればその時間を使って、スキルの向上に取り組みました。ウイスキーに関するさまざまなことを習得したことによって、多くの来場者の満足度が高まったのかもしれません」(正田さん)とのこと。
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