累計販売20億枚突破のフェイスマスク「ルルルン」 9回のリニューアルでも変えなかったこと(3/4 ページ)
Dr.ルルルン(東京都渋谷区)が展開するフェイスマスクブランド「ルルルン」が好調だ。2011年7月の発売から、2023年12月までの累計販売枚数は20億枚を突破。ブランド誕生から現在に至るまでの経緯について、同社に話を聞いた。
ほぼ毎年リニューアルを続けるワケ
前述の箱タイプへの変更のみならず、ルルルンはほぼ毎年リニューアルを行っている。「初代ルルルンが人気になったことで、利益を確保できました。それをリニューアルに活用し、新しい商品を発売。そうして得た利益をまたリニューアルの原資にする……というサイクルを徹底しています」(ブランドマネジャー)
リニューアル内容は多岐に渡る。シートは水分をたっぷり含み、かつ肌にのせたときの密着感を高めるため、横にストレッチが効く素材に変更した。シートの形状にも着目し、乾燥が気になりやすい目の周りまでしっかり覆えるようなカッティングを採用している。
繰り返すリニューアルの中で、あまり変えていない部分もある。シンプルで可愛らしいパッケージデザインだ。それまでのフェイスマスクは、商品名や機能性が大きく表記されており、デザイン力があるとはいえないものが多かったと担当者は話す。
「これまでのフェイスマスクのパッケージでは、洗面台や部屋のインテリアになじまず、棚にしまわれがちでした。ですが、棚にしまうと使用前に取り出すという動作が発生します。こうなってくると面倒臭さが上回り、継続的に使ってもらえないことに気付いたのです」
そこで同社は広告部分をフィルムにして、購入後に取り外せるようにした。使うときにフィルムを外せばシンプルなデザインになり、洗面台やドレッサーに出しっぱなしにしておけるようになる。出しっぱなしにしておけば入浴後や洗顔後に自然と目に入り、継続使用を促すことにもつながった。
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