累計販売20億枚突破のフェイスマスク「ルルルン」 9回のリニューアルでも変えなかったこと(4/4 ページ)
Dr.ルルルン(東京都渋谷区)が展開するフェイスマスクブランド「ルルルン」が好調だ。2011年7月の発売から、2023年12月までの累計販売枚数は20億枚を突破。ブランド誕生から現在に至るまでの経緯について、同社に話を聞いた。
群雄割拠のフェイスマスク市場
現在のフェイスマスク市場は多くのメーカーから商品が投入され、競争が激化している。朝専用のフェイスマスクや毛穴ケアに焦点を当てたフェイスマスクなど機能特化タイプ、韓国コスメブランドのフェイスマスク、そして最近の化粧品業界におけるトレンドである成分ブーム(成分に着目して購入する商品を決めること)に対応したフェイスマスクなど、商品の幅も広がっている。
競合他社がさまざまな商品を投入する中で、同社はあくまでスキンケアの基本である「保湿」に軸足を置き続けている。ユーザーからの要望を受けて、保湿以外の機能性を追加した「ハイドラ」シリーズを2022年に発売したものの、「成分ブームには乗らない」姿勢を貫いている。成分にこだわり過ぎるとどうしても価格が高くなり、毎日使えて特別感を提供するというルルルンの根本を覆すことになるからだ。
その一方で、ブランドマネジャーは「『たまにはいつもと違うものも使ってみたい』と思う消費者のニーズがあるのは確かだ」と話し、地域ごとの特色を取り入れたご当地商品「旅するルルルン」や、季節に合わせた限定商品を定期的に発売。消費者に飽きられないよう、また「気分転換したい」という情緒的なニーズに応える商品を展開している。
今後のルルルンについて、ブランドマネジャーは「これまで通りリニューアルを続け、製品力を上げていく」ことが第一だと話す。その上で、さまざまな情報が飛び交う化粧品業界において、フェイスマスクの正しい使い方の周知にも力を入れていきたいと話した。
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