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“バリスタ特化”が奏功 「電気ケトル」が好調の山善、第4弾の改良ポイントは?(2/2 ページ)

山善は9月3日、新商品「電気式バリスタポット」(1万2100円)の先行販売をインターネットで開始した。2018年に登場し人気を博している「電気ケトル」シリーズの第4弾だが、一体どのような点を改良したのか。

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安全性向上にも工夫

 また、乳幼児のやけどといったリスクも踏まえ、安全面も強化した。2024年6月に改正施行された電気安全法において、電気湯沸器に対して「転倒時にお湯が50cc以上こぼれてはいけない」という基準が設けられたことにもよるものだという。

 担当者によれば、開発にあたって最も苦心したのが、湯こぼれを防止するフタの改良だった。内部にシリコンパッキンを取り付けたほか、都度取り外す仕様だったフタをプッシュ式に変更し、開ける際にもフタが壁になって湯気が直接手に当たりにくいようにした。蒸気口にもボール状の部品を入れ、倒れた際に蒸気口をふさいでお湯がこぼれにくくなる構造にしたという。

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従来品のフタ(編集部撮影)
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電気式バリスタポットのフタ。赤丸で囲われた部分が蒸気口(山善提供)

 先行販売は、応援購入サービス「Makuake」で実施。9月13日時点で、304人から応援購入の形で予約を受け付けている。同サービスは、初期投資のための予算を確保するのが難しい商品に多く用いられるが、最近では新商品の認知やPRを目的に用いられることも多い。同社としても初の導入で、これにより新しい販促方法を試したい考えだ。一般販売の開始は、11月末頃を予定する。

 同社によれば、商戦が年々長くなっている夏物に対して、暖房器具などの冬物商品の昨冬の売り上げは「厳しい」という。しかし、「そうした中でもお客さまが納得し、ニーズに刺さったものが売れていると解釈している」と担当者は話す。「コーヒーにこだわりたい」というニーズへの特化によって、電気式バリスタポットはどこまで売り上げを伸ばせるか。

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