若者のAI活用 使用割合1位はトルコ、日本は?:米Preplyの調査
オンライン語学学習プラットフォームを手掛ける米Preplyは、欧州、アジア、北米、南米といった9地域の18〜43歳を対象に「AIと共存する世代の願望や学習習慣に関する調査」を実施した。
オンライン語学学習プラットフォームを手掛ける米Preplyは、欧州、アジア、北米、南米といった9地域の18〜43歳を対象に「AIと共存する世代の願望や学習習慣に関する調査」を実施した。AIを使用している人の割合が最も多かったのは、トルコ(61%)だった。米国は46%、日本は41%という結果に。他の国に比べて、日本のAI活用の遅れが浮き彫りとなった。
世代別にみると、1990年代後半から2000年代に生まれた「Z世代」は59%、1981年〜1990年代なかばごろまでに生まれた「ミレニアル世代」は50%だった。
仕事への願望 「経済的な安定」が1位
現時点での人生の願望について聞くと、日本の若者は「経済的な安定」(67%)と回答した人が最も多かった。「趣味にもっと時間を使う」(45%)、「体の健康を改善する」(43%)と続く。日本の若者は「家族や友達と過ごす時間」よりも「自分の趣味に費やす時間」を優先する傾向が強いことが分かり、世界的にも珍しい結果となった。
仕事への願望について尋ねると、9地域全てで「経済的な安定を得る」が1位となった。特に米国、ドイツ、日本では、スキルアップや学習機会を重視する傾向がみられた。一方アルゼンチン、メキシコ、トルコでは、4割の人が「自分のビジネスを始めたい」という起業への意欲を持っている。
専門性の研さんのために新しいスキルを学んでいるか聞くと、1位は「外国語の習得」(29%)、2位は「AIツールの使い方」(22%)、3位は「技術スキル」(20%)となった。
外国語を学んでいる人の割合について、1位はトルコ(73%)、2位はポーランド(67%)となり、新しい言語を学ぶことで視野を広げようとする意識が高まっている。一方、日本(35%)と米国(36%)は、外国語学習への関心が低い結果となった。
一番好きな学習方法については、26%の人が「実際にやってみること」が最も好きな学習方法だと回答。オンライン動画の視聴や一対一のプライベートレッスンも多くの地域で高く評価された。一方、AIツールを使った学習を好む人は7%にとどまった。
AIの普及が進む中でも、語学学習では実践的な学びが依然として重視されていて、単なる知識の習得にとどまらず、人とのつながりや対面での学習を大切にする傾向が明らかとなった。
調査は、2023年6月に米国、ドイツ、スペイン、ポーランド、メキシコ、アルゼンチン、日本、韓国、トルコのオンラインパネル参加者を対象にインターネットで実施。参加者は、性別5372人(男性2677人、女性2695人)と、世代5401人(Z世代2651人、ミレニアル世代2750人)に分けられる。
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