山善、着用して動き回れる「電気毛布」を強化 背景に電気代の高騰と節約ニーズ 類似品を突き放す性能と着心地を目指す
家電メーカーの山善(大阪市)が2022年に発売し、大ヒットした「くるみケットシリーズ」。類似品との差別化のため、2024年の新商品ではどういった点を工夫したのか。
家電メーカーの山善(大阪市)は、着用できる電気毛布「くるみケットオーバー Air PD+」(参考価格:1万2000円前後)を9月下旬から自社通販サイトや全国の家電量販店で発売する。新商品の狙いについて、開発を担当した社員に聞いた。
くるみケットシリーズは、部屋の中で着用したまま動けるように機能性や利便性を加えた電気毛布だ。登場したのは2022年で、「コタツにくるまれているような感覚が味わえる」「着用したまま動き回れる」といった点が支持されて大ヒット。それ以降、同社は改良を重ねてきた。
2023年には着用感と動きやすさを向上させただけでなく、USB(Type-A)仕様でゆったりとした着心地の「オーバータイプ」もラインアップに加えることで、ヒットを維持したという。
担当者は2024年に発売する新商品の開発に当たり「期待を上回る機能を追加することで、類似品を突き放すことを意識した」と説明する。
具体的には、USB(Type-C)対応とすることで仕様出力(電圧V)を上げ、ワット(W)数を約2倍とした。これにより、従来品と比べて暖房面積を約1.8倍に広げられたという。
また、ポケットを本体の真横に付けることで前後リバーシブル仕様とし、好みに合わせて使用できるようにした。ストレスフリーな着心地を実現するため、生地も従来品と比べて約15%軽量化した。
担当者によると、近年の電気代高騰により消費者の節約志向が高まっているという。部屋全体を暖めるエアコンやヒーターと比べて、電気代を節約できるパーソナル暖房のニーズは高まっている。類似品との差別化に取り組んだくるみケットオーバーは、消費者の支持を得られるか。
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