暖冬でも爆売れ、山善の「着る電気毛布」 数万件のレビューを分析して見えた改善点(1/4 ページ)
電気代の高騰による節約意識の高まりから、節電タイプの暖房器具が注目を集めている。家電メーカーの山善が手掛ける暖房アイテム「くるみケット」もその1つだ。開発担当者の加美将希さん(同社家庭機器事業部)に話を聞いた。
電気代の高騰による節約意識の高まりから、節電タイプの暖房器具が注目を集めている。家電メーカーの山善が手掛ける暖房アイテム「くるみケット」もその1つだ。2022年に初めて発売したところ、用意した数万個が早々に完売するほどの人気ぶり。これを受けて23年モデルでは大幅なリニューアルを実施した。開発担当者の加美将希さん(同社家庭機器事業部)に話を聞いた。
くるみケットは筒状の毛布に足を入れ、エプロンのように肩から掛けて着用する電気毛布だ。本体は縦が約115センチ×横が約65センチで、身長150〜180センチ、ウエスト最大約130センチまで着用可能。電源はACタイプとUSBタイプの2種類(メーカー希望小売価格はいずれも9980円)を用意した。
ACタイプは前面の広い範囲が温かくなる。温度は「強(約53度)」「適温(約33度)」「弱(約23度)」の3段階。2時間のオフタイマーと8時間で自動的に電源が切れる機能を搭載しているため、温まりすぎる心配もない。
USBタイプは前面の4カ所にヒーターを設置。温度は3段階から選べ、全面/腹部のみを使用する場合は「強(約45度)」「中(約40度)」「弱(約35度)」、胸元側のみを使用する場合は「強(約42度)」「中(約38度)」「弱(約35度)」となっている。2時間の自動オフタイマー機能も搭載した。
くるみケットは、担当者である加美さんの思い付きから生まれた。「冬の定番の暖房器具といえばこたつですが、設置場所が限られます。また、スペースの都合から『置きたくても置けない』という声もありました。こたつに機動性が加われば、スペースの問題もなく、使いやすくなると考えたのです」(加美さん)
関連記事
- SNSから人気拡大、ニトリ「スマホ毛布」 若者向けに開発も、意外なユーザーから支持
電気代の高騰による節約意識の高まりから、消費電力が大きいエアコンを使用しなくても温かくなれる商品が注目を集めている。こうした節電ニーズとスマホを組み合わせて生まれたのが、ニトリの「スマホ毛布」だ。 - 1枚で温かい、ドンキの「羽織る魔法瓶」 開発者が気付いた「重ね着」の盲点とは?
寒い季節には、インナーやセーター、コートなど、たくさんのアイテムを着込むのが一般的だ。しかし、ドン・キホーテは重ね着しなくても1枚で温かい“羽織る魔法瓶”のようなアイテムを開発。“当たり前”を覆そうとしている。開発の背景を聞いた。 - ドンキの「着るこたつ」が「動けるこたつ」に進化! 物価高なのに、2000円値下げできた意外なワケ
ユーザーからの“ダメ出し”をもとに改良したところ、結果的に値下げにも成功した商品がある。ドン・キホーテで今年10月から発売している“着るこたつ”こと「動けるこたつウェア」だ。 - 職人しか買わないはずでは? ワークマンの“着るこたつ”が若い女性にも支持されているワケ
日に日に寒さが厳しくなり、防寒アイテムに注目が集まっている。こうした中、好調な売れ行きを見せているのが、ワークマンの“着るこたつ”ことヒーターウェア「WindCore ヒーターシリーズ」だ。 - 大ヒットしたスポドリ「DAKARA」はなぜ麦茶に? 社内の反対を押し切った起死回生の一手とは
サントリー食品インターナショナルが発売したのが「ライフパートナーDAKARA」。人気商品に成長したダカラだったが、その後低迷。起死回生の一手として、スポーツドリンクらしからぬ転身を図った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.