なぜ「ばかうけ」はハリウッドザコシショウと組んだのか 渋谷駅に“誇張しすぎた”看板が輝いたワケ:「おもしろ広告」大解剖
一風変わった、面白い仕掛けのある広告を取材し、狙いやこだわり、アイデアの原点を探る。
「おもしろ広告」大解剖
今話題を集めている"一風変わった"、面白い仕掛けのある広告を取材し、狙いやこだわり、アイデアの原点を探る。
「ばかすばらしい人生を。」――JR渋谷駅ハチ公口前にこんな巨大メッセージが、お笑い芸人ハリウッドザコシショウ氏の写真とともに踊った。1947年創業の老舗、栗山米菓(新潟市)による「ばかうけ」の屋外広告だ。
広告には誇張表現を意味した「ばか」の文言と、ハリウッドザコシショウ氏の持ちネタ「誇張しすぎた福山雅治」の顔面が大写しになっている。
栗山米菓はばかうけ誕生35周年を記念して、ハリウッドザコシショウ氏を起用した新CMをYouTubeで配信。8月19日からの配信に合わせて渋谷駅前に掲出した巨大屋外広告には、「ばかうけの広告がザコシでテンション上がってる!!」「ザコシショウだと思われる写真が強烈すぎた」などの声が上がっている。
その背景には、なかなか米菓業界がアプローチできていない若者世代を取り込みたい狙いがある。施策の反響や成果についてどう捉えているのか。栗山米菓に聞いた。
――この屋外広告の狙いや、ターゲット層は。
米菓におけるメインの消費者層は40〜60代。もっと若い世代に「ばかうけ」を食べてもらうことが目標です。そのために、インパクトとメッセージ性を兼ね備えた広告を通じて情報拡散を狙いました。
――掲出場所に渋谷駅を選んだ理由は。
「ばかすばらしい人生を。」というメッセージを広く拡散するために、個人の情報発信力が高い渋谷を選びました。
――なぜ、広告にハリウッドザコシショウ氏を起用したのか。
難しい話ばかりでなく、仲間とばかばかしい話や他愛のない話をするような時間を大切にしたいという思いがあります。そんな楽しい場に寄り添う「ばかうけ」でありたいという考えを、“ばか”らしいことを誇張しながら真剣に表現しているハリウッドザコシショウ氏を通じて伝えたいと思い、起用しました。
また、“ばか”は誇張表現としても使われており、「誇張表現の第一人者」であるハリウッドザコシショウ氏との親和性も感じています。
――広告を見た人からは、どのような反響が集まっているか。
屋外広告と同じ日に配信を始めたYouTube CMについての反響が多く集まっています。「笑った」「元気が出た」「最高」などと非常に良い反響をいただいています。また「CMが良すぎてばかうけ買ってきた」と、「ばかうけ」ブランドへの親近感醸成と購買につながっていると受け止めています。
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