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生成AIを導入しても“社員が使わない” 「生成AIプロンプト道場」の奮闘(2/2 ページ)

生成AIを導入したはいいものの、実際に「活用」できていない。こうした課題を抱える企業が少なくない中、独自の社内プロモーションによって生成AIの利用者を伸ばしたのが、資産運用会社のアセットマネジメントOneだ。「生成AIプロンプト道場」の取り組みに迫る。

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「静かな大衆」の意見集約化が課題

 この生成AIプロンプト道場の社内研修制度を始めた2024年8月から、GPT-4oの導入が始まった。機能がさらに拡大し、複雑化したにもかかわらず、利用率が26.8%から41%に増加した。一方で1人あたりの週間利用回数は53回から14回と、4分の1弱に低下。少ない回数で回答精度を向上させた。

 この8月からのアップデートと同時に、社内で業務に活用したプロンプトを共有できるようにしている。これにより、社内の先進的な活用事例の共有が進み、理想的な体制を築けた。

 今後は、社内生成AIで強化した分析機能をフル活用することで、さらなる利用促進と業務効率化を目指していく。

 「当社に約1000人いる従業員のうち、もともと生成AIを使いこなしている人が26.8%、270人ほどいました。しかしその中で、積極的に意見を出してくれる人の数は12〜13人ほどしかいないのが現状です。声を出さない『静かな大衆』の意見をどう集約するかが今後の課題です」(立花マネージャー)

 生成AIの機能は日々進化していて、できることも1年前と比べて増えている。企業が最新の生成AIを導入しても、それを従業員が使いこなせなければ投資効果が限られてしまう。こうした時に、社内の先進事例を集約化し、師範役を育てる取り組みは、業種に関係なく多くの企業の参考になるだろう。

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