コクヨが「通学用バックパック」を開発 かつて先生だった担当者が小学生と一緒に考えた
コクヨは10月3日から、試作品の「通学用バックパック」を小学生に配布し、使用した感想や意見をもとに商品改良を行う実証実験を開始した。
コクヨ(大阪市)は10月3日から、試作品の「通学用バックパック」を小学生に配布し、使用した感想や意見をもとに商品改良を行う実証実験を開始した。
元小学校教員の経歴を持ち、現在は商品企画を担当する同社の社員が、小学生のより良い通学環境を目指し、通学用バックパックを開発。福岡県田川市立伊田小学校の小学生242人に2カ月間使ってもらい(10月3日〜12月4日)、使用時の気付きや課題などを抽出する。
コクヨはこれまで長年、ランドセルの販売を通して小学生の通学環境に向き合ってきたが、昨今、1人1台配布されているデジタル端末や水筒など、小学生の荷物量の増加が保護者の悩みの種にもなっていることに着目。
この課題を解決するために、2023年に田川市の小学校で、ランドセルに関する困りごとをテーマにしたワークショップを3回開催した。その中で「月曜日と金曜日は上履きや体操服などの荷物がランドセルの中に収まりきらず、通学時は両手が荷物でふさがってしまう」と、特に週初めと週終わりの荷物量の多さに悩む声が多く聞かれた。
「伸びるポケットがあれば、この問題を解決できるのではないか」といったアイデアをもとに、収容スペースの拡張機能を持つ布製の通学用バックパックを製作した。
通学用バックパックは、下部のファスナーを開くことで収容部を拡張することが可能。また、比較的荷物の量が少ない日は下部のポケットをたたんでおくことで、月曜日から金曜日まで毎日サブバックを持つことなく身軽に通学できるようにした。
素材はポリエステルを使用しているため、本体の重さがおよそ990グラムと、従来の人工皮革製の同社製ランドセルと比べて軽く、体への負担軽減が期待されるという。
今回の実証実験を経て、コクヨは「より小学生のリアルなニーズに応えた通学用バックパックの商品化を目指す」とコメントしている。
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