なぜ、謎の「クラフト〇〇」が増えているのか 大企業が次々に参入する理由:スピン経済の歩き方(2/6 ページ)
クラフトカレーにクラフトドレッシング、クラフト餃子まで、クラフトブームの勢いが止まらないが、今後これらが「定番」になる可能性もある。なぜそう思うかというと……。
クラフトブームの始まりは
そもそも、この分野のクラフトブームは「調味料」が先行していた印象だ。「世界に羽ばたく『クラフト醤油』 赤橙色のいざない」(NIKKEI The STYLE 2023年3月31日)の記事で取り上げられているように、全国各地のしょうゆ蔵でつくられる個性的なクラフトしょうゆを筆頭に、クラフト味噌(みそ)、クラフトポン酢などが「道の駅」や催事場で注目された。
ただ、皆さんも実体験で分かるように、しょうゆやポン酢は毎日のようにドボドボと使うものではない。「食」にこだわりのある人は、刺身はこれ、肉料理はこれという感じでしょうゆを何本も使い分けるが、一般的な庶民は調味料をそこまで多く買いそろえない。
そこで代わりに注目されつつあるのが、野菜にかけるのはもちろん、炒め物の味付けにも使える「調味料にも使えるドレッシング」だ。
ドレッシングは違う味を楽しみたいということでわりと多く買いそろえる。しかも、しょうゆや味噌よりも食品として自由度が高い。和風、洋風、中華風と味もさまざま、原料も定番の玉ねぎ、にんじん、ゆず、ねぎなどだけではなく、「日向夏ドレッシング」(宮崎)、「柿ドレッシング」(和歌山)、「伊予柑ドレッシング」(愛媛)など特産品を用いてエッジを立てられることも、市場が盛り上がる要因の一つだ。
この勢いが続けば、クラフトビールやクラフトジンに続いて「クラフトドレッシングブーム」がやってくるかもしれない。大手メーカーの動向を見ると、その「兆候」を読み取れるのだ。
「リケンのノンオイル 青じそ」などを手掛ける理研ビタミン(東京都新宿区)が2024年8月、「洋食屋さんのただただおいしいドレッシング」という新商品を出した。
町のこだわりの洋食屋さんが手づくりで野菜をすりおろしてつくったようなドレッシングをコンセプトとしているこの商品の名に「クラフト」は付いていない。しかし、その宣伝文句の中では「ハイブリッドクラフト製法」という独自手法を用いていると強調しているのだ。
また、同社は2023年8月に「インドカレー屋さんの謎ドレッシング」というものを出しており、2024年9月までで250万本突破の大ヒット商品となっている。これも見ようによっては「お店の手づくり」、つまりはクラフト感を前面に出しているのだ。この勢いが続けば、よりストレートにクラフトを訴求した「職人のこだわりがつまったクラフトドレッシング」のような商品が登場をするのも時間の問題だろう。
ただ、どんなブームにも言えることだが、さまざまな分野に「クラフト」が広がっている一方で、決してケチをつけているわけではないのだが、「ん? それってクラフトでいいの?」と首をかしげるようなものまである。
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