コストコとイケアはなぜ時給が高いのか? 日本企業の「人手不足」はただの言い訳に過ぎない(1/3 ページ)
人手不足といわれる中でも人材を確保できているのが、コストコやイケアだ。これらの企業は一般企業と比較して時給が高いのが大きな特徴だが、なぜそれを維持できるのか。
コストコの時給は1500円、イケアは1300円と、外資系のチェーンは日系企業と比較して賃金が高いことで知られている。もちろん働く側にとってメリットは大きいが、最低賃金の低い地方では、周辺の小規模業者が採用難に悩む現象も起きているという。国内小売り大手のイオンでも、時給は最低賃金プラスアルファ程度であり、コストコには程遠い。
外資系チェーンはなぜ、高時給を出すのだろうか。その理由と、高時給でも運営できる背景を探る。
正社員とパートで大きな「時給差」がない
コストコの求人によると、フルタイムの正社員とパートタイマーで両者ともに時給制であり、最低時給はいずれも1500円である。全店舗一律であるため、店舗ごとの初期時給に差はない。
その他、1000時間ごとに時給が20〜64円アップする自動昇給制度を採っており、フルタイム・パートタイム問わず時給は最高で1850円または2000円まで上昇する仕組みだ。コストコ本体ではないが、店舗内で試食や商品PRなどの業務を担うクラブ・デモンストレーション・サービシズ社の採用情報を見ても時給1300〜1400円以上の募集が多く、一般的に見て高い水準となっている。
一方のイケアは、コストコのように明確な時給基準を公開していないものの、ほとんどの求人は時給1300円以上であり、一定の基準になっているとみられる。なお、イケアではパートタイマーを含めた全従業員を正社員としている。同一労働同一賃金の考え方が確立しているスウェーデンにならってのことだという。
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