テキストから一瞬で図解を生成 「Napkin AI」はどれくらい使えるのか?:その悩み、生成AIが解決(2/2 ページ)
今回は、Napkin AIを活用した図解の作成の流れや、思いどおりの図解を作成するコツ、向いている用途、あまり適さない用途――などについて解説する。
あまり向いていない用途は?
ただし、必ずしも意図したとおりの図解が生成できるわけではない。例えば、先述のテキストの続きである、以下の文章を図解する場合を考えてみよう。
「わかりやすい構成で、かつ文章も読みやすくまとめたい」といった場合には、両者を併用する方法も考えられる。たとえば、文字起こしから企画書を作成する作業をChatGPTで行った後、出力された内容をClaude 3にコピー&ペーストして「これは○○についての企画書です。この書類を、より読みやすい日本語に書き換えてブラッシュアップしてください」という指示を与えれば、それぞれの得意分野を生かした「分業」が実現する。
ちなみに元の記事では、この記述の部分に以下の図解を掲載している。画像編集ツールを使い、筆者が手作業で作成したものだ。
これと同じようなものがNapkin AIでも作れないかと試みたが、生成された図解はいずれのパターンもいまひとつという印象。指示を明確にすればいいのではと考え、元のテキストを調整したり、新たにプロンプトを書いたりしてみたものの、その場合も結果はあまり変わらなかった。
このケースのように、作りたい図解のイメージが明確に定まっている場合は、素直に自分で手を動かして作成したほうが早そうだ。また、複数のものごとの相関図など、内容が複雑かつ正確さが求められるケースも正しく図解化するのは難しいため、人間が手作業で図解を作った方がいいだろう。
「及第点の図解」を作りたいときに役立つサービス
他の生成系サービスにもいえることだが、生成AIは、誰が作っても結果がさほど変わらないものをそこそこのクオリティーで作るのに適している。「あくまでも文章が主体で、それを補足したり、視覚的な変化をつけたりすることを目的に、手早く図解を用意したいケース」では、Napkin AIが大いに役立ってくれるだろう。
一方で、言いたいことを明確に伝えるために細部までこだわった図解を作りたい場合や、複雑な情報をまとめ上げるために使う場合など、「図解そのものが情報のメインとなるケース」においては、思いどおりの出力結果を得るのは困難だ。
作りたい図解が「及第点で構わないもの」なのか、「クオリティーを上げて満点に近づけたいもの」なのかを考えた上で、どちらを選ぶか決めることが不可欠となるだろう。何でもAIに丸投げするのではなく、AI利用が向いているか否かを見きわめて選ぶことが大切だ。
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