「座れる」ルート検索が可能に? 東京メトロ、車両データ活用した検証開始
東京メトロとナビタイムジャパン(東京都港区)は10月28日、電車で座って移動できるルートを検索できたり、座りやすい号車を案内したりするサービスの提供を目指し、検証を開始した。今回の検証をもとに、「座れる」という利用客にとってポジティブな情報提供を目指す。
東京メトロとナビタイムジャパン(東京都港区)は10月28日、電車で座って移動できるルートを検索できたり、座りやすい号車を案内したりするサービスの提供を目指し、検証を開始した。現在、走行する列車の号車ごとの混雑状況は、「東京メトロmy!アプリ」や「乗換NAVITIME」などで提供中だ。しかし、「座って移動できるか」に関する情報は提供できていなかった。
そこで、走行中の各列車の混雑率に加え、列車が駅に停車しているときの混雑率の変化に着目。今回の検証をもとに、「座れる」という利用客にとってポジティブな情報提供を目指す。
今回の検証には、座れる確率(以下、着座確率)を推定する必要がある。そこで、東京メトロの各路線を走行する車両のデータから、列車が駅に到着して出発するまでの乗降状況(曜日や時間帯ごとの降車度合)を、号車ごとに1秒間隔で解析。ナビタイムジャパンのデータ加工とシミュレーション技術を組み合わせ、着座確率を推定する。
推定した着座確率を用いて、座れる可能性のある経路を検索できる「座れるルート検索」や、各駅での号車ごとの座れる確率を示す「座りやすい号車案内」といった機能を、「乗換NAVITIME」で試験提供する。2024年度内を目安に、車両データの収集や処理、着座確率を推定するためのデータ加工やシミュレーション方法の確立を目指す。また、乗換NAVITIMEの一部利用者を対象としたフィールドテストを予定している。
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