海外と比べて、日本のビッグマックは「割安」 それって“悪い”ことなのか:『ビッグマックと弱い円ができるまで』(1/2 ページ)
海外でマクドナルドのビッグマックは、いくらくらいなのか。英国のビジネス雑誌『エコノミスト』が調査したところ、日本は下から11番目。これって「悪い」ことなのか。
この記事は『ビッグマックと弱い円ができるまで』(著・佐々木融/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
海外でマクドナルドのビッグマックは、いくらくらいなのか。英国のビジネス雑誌『エコノミスト』が調査したところ、最も高いのはスイス。その次に高いのが、米国、英国、ユーロ圏、カナダなどで、調査対象国・地域の中で、日本は下から数えて11番目である。
マネオ: バーガー博士、日本のビッグマックの価格が世界全体の中で安い方であるのは悪いことなのですか? 安く買えるからよいことではないですか?
バーガー博士: 日本の中だけで考えたら安く買えるのは悪いことではないけど、その理由に問題があるのだよ。日本のビッグマックが割安というより、日本円を使って他の国でビッグマックを買おうとすると、より多くの円を必要とするようになっている。つまり、日本円の価値が世界の中で低く見られているのだよ。
日本のビッグマックの価格が米国よりも大幅に安くなっているのは、2つのことが影響している。
ひとつは米国のビッグマックの米ドル価格の上昇率が、日本のビッグマックの円価格の上昇率より大幅に大きいこと。もうひとつは、円が対米ドルで大幅に安くなっていること。
つまり、米国では、ビッグマック1つを買うのに、より多くの米ドルを必要とするようになっているのに、それに加えて、その米ドルと交換するのにより多くの円を必要とするようになっているということだ。
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