会員制量販店はコストコだけじゃない! 米サムズクラブの未来型店舗に潜入 店内の様子は?:Retail Dive(2/3 ページ)
メンバーシップ・ホールセール・クラブ(会員制量販店)といえば、日本ではコストコが有名です。米国では、小売世界大手ウォルマートが運営するサムズクラブも人気を博しています。米テキサス州ダラス郊外に10月オープンしたサムズクラブの新店舗は「未来型店舗」とも呼べるようなさまざまなテクノロジーが用いられているといいます。どのような店内なのか、米ビジネスメディア「Retail Dive」のレポートを紹介します。
オムニチャネル・ショッピングの強化
アプリベースのスキャン&ペイ技術とともに、サムズクラブはより多くのEコマース取引とオムニチャネルの買い物行動に対応している。サムズクラブの買い物客は、大量の商品を購入するのではなく、ふらっと立ち寄っていくつかの商品を選ぶことに関心を抱いている、とニコラス氏は述べた。
この店舗には、オンライン注文の対応に特化した約6000平方フィートの専用スペースがある。これは一般的な集配注文のピッキングと梱包(こんぽう)に割り当てられるスペースの約4倍に相当するという。
ニコラス氏は「オンラインでの集配がそこで大きなシェアを占めると予想している」と語った。
さらに、フルフィルメント注文のために準備中の商品を保管する新しいオムニ・フルフィルメント・カルーセルがある。フルフィルメント・エリアにはピッキングを高速化するための高速ドアなどもある。
店の外には、路上での商品の受け取り用に32台の専用駐車スペースを設置。これは一般的な店舗が設置する14〜16台の倍以上の数だという。
ニコラス氏によると、通常はレジがあるスペースには、オンライン注文した商品を閲覧できるインタラクティブなディスプレイを備えた「インスピレーションスペース」を設けている。買い物客はQRコードをスキャンし、デジタル限定商品をアプリで購入することができる。
また、スキャン&ゴーで注文を行うと指定のロッカーに食品が届けられる新しいシステムも実証中だという。カフェコーナーには、迅速な注文受け取りが可能なロッカーが設置されている。
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