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「過疎地」にチャンスあり ローソンがポツンと1店舗でも営業できる、2つの理由(2/3 ページ)
ローソンは10月4日、和歌山県田辺市のスーパー跡地に「ローソン龍神村西店」をオープンした。同社は過疎化により小売店が撤退し、食品や日用品の購入が難しい地域へ「地域共生コンビニ」の出店を進めており、龍神村西店もその一環となる。地域共生コンビニの取り組みについて、広報担当者に聞いた。
過疎地域への出店、なぜ可能?
ローソンが地域共生コンビニを出店する背景には、地方や山間部などの過疎地域で小売業が撤退し、地域の「買い物ができる場所」(以下、買い場)を維持することが難しくなっていることが挙げられる。「買い場の維持が難しくなる流れは、人口減少や少子高齢化に伴い、今後ますます加速していくことが予想されます」(広報担当者)
こうした過疎地域に出店し、地域住民の買い場としての機能を果たすことは大切だが、店舗を運営していくためには利益の確保も必要不可欠だ。広報担当者は、コンビニが過疎地域でも営業できる2つの要因があると説明する。
1つ目は物流網だ。ローソンは全国各地に物流網を持っている。過疎地域への出店を考えた場合、近くに店舗があることが多く、新しく物流網を整備するといった負担が少ない。
2つ目は商圏人口だ。広報担当者によると、スーパーの商圏人口が4万7500〜6万2500人であるのに対し、コンビニの商圏人口は2000〜3000人と小規模で成り立つという。そのため、龍神村地区のような人口減少が進んでいる地域でも営業できるそうだ。また、スーパーと比べ店舗面積が平均約60坪と小さいため、店舗運営に携わる人員も少なくて済むのもポイントだ。
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