北九州地盤「資さんうどん」は関東でどこまで戦えるか すかいらーくが買収した背景(1/3 ページ)
北九州地盤のうどんチェーン「資さんうどん」をすかいらーくHDが買収して話題を呼んだ。なぜ今、買収に至ったのか。その狙いを探っていく。
10月、すかいらーくホールディングス(HD)が北九州地盤でうどんチェーン「資さんうどん」を展開する資さん(北九州市)を買収した。資さんうどんの全国的な知名度は低いものの、北九州市・福岡を中心に約70店舗を展開しており、福岡県民にとってはなじみの深いチェーンとして知られている。
同チェーンはうどんだけでなくそばも提供しており、100種類以上ある豊富なメニューが特徴である。今後は都内と千葉県内に出店する予定であり、すかいらーくHD傘下で関東進出を強化する方針だ。
今回は、なぜすかいらーくHDが九州のうどんチェーンに目を付けたのかを探っていく。
北九州地盤のローカルチェーン 近年は関西など店舗網を拡大中
資さんうどんは1976年に開業したうどん店がルーツである。北九州という重工業が盛んな地域柄、夜勤労働者の需要も取り込むべく24時間営業としたのが大きな特徴であり、現在でも店舗の多くが24時間営業か午前7〜午前1時のように幅広い時間帯で営業している。当初はドミナント展開をしていたが、2009年からは下関市や福岡市など、北九州市以外にも出店し始めた。
2015年に創業者が亡くなった後は後継者が決まらず、福岡銀行系のPEファンド、福岡キャピタルパートナーズ(福岡市)に経営権が移った。約40店舗体制となった2018年にはユニゾン・キャピタルが経営を引き継ぎ、2023年11月に関西へと進出。その多くが市街地のロードサイドに出店している。
そして、すかいらーくHDが資さんを240億円で買収。これまでローカルチェーンとして愛されていただけに、インターネット上では「メニューが変わるのでは」など、大資本による買収を懸念する意見も見られた。
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