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「ポケポケ」はなぜ大人も“ドハマり”するのか? 類似ゲームが見逃した「快感」への強烈なこだわり:エンタメ×ビジネスを科学する(1/5 ページ)
ユーザーの欲求に応える"仕掛け"がある。
画面の中で「サクッ」とカードパックの封が切られ、現実のカードパックさながらの手触りを思わせるアニメーション。そして1枚また1枚とカードが姿を現す演出。
これは10月30日にサービスを開始したスマホ向けアプリ『Pokemon Trading Card Game Pocket』(以下、ポケポケ)における、いわゆる「ガチャ」の演出である。サービス開始約1週間で全世界累計3000万ダウンロードを超えたポケポケの狙いとは何か。
カード開封の快感 デジタルで再現
ポケポケは平成から受け継がれてきた「カード開封の体験」をデジタルの時代に表現し、より多くの人々、特に今の子どもたちのポケモンおよびポケモンカード(以下、ポケカ)への入口となることを期待してリリースされたと考えられる。
ポケカは目下好調であり、その人気から一部カードの価格が高騰し、"投機"の対象にもなっている。直近は価格も落ち着いてきたが、なお熱狂的なファンは多い。
とはいえ、昨今の娯楽における環境の変化、特に子どもから学生における価値観の変化は見過ごせず、何も手を打たなければこの人気継続は難しい。それは「カードゲーム」という遊びの形態がゆえでもある。
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