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「ポケポケ」はなぜ大人も“ドハマり”するのか? 類似ゲームが見逃した「快感」への強烈なこだわり:エンタメ×ビジネスを科学する(4/5 ページ)
ユーザーの欲求に応える"仕掛け"がある。
ポケカの喜びの「原点」
これまで述べてきた課題を解決する方法の一つが、シンプルにデジタル化することである。ポケポケでは、昨今のスマートフォン向けゲーム・ソーシャルゲームの潮流に則りF2Pとし、12時間ごとに無料で拡張パックを提供することでプレー環境やコスト面の課題をクリアしている。
また、ルールについても従来のポケカから必要カード枚数を60⇒20と大幅に減らすなど、よりシンプルな独自ルールへと変更。加えてチュートリアルを交えたCPUとの対戦モードを通じて、遊び方を学ぶ環境も用意している。もちろん、遊び相手の面でもインターネットを通じた対人戦の環境が整えられている。
このように、TCGそしてポケカへの入口として、スマートフォン上で遊ぶことが中心となった今の子どもたち、そして大人たちの環境に適した形でポケカに触れることができるのがこのポケポケなのだ。
しかし、単にTCGをデジタル化したものであれば、ポケポケ以外にも過去より存在している。それらにはないポケポケの新規性とは何か。それは本家ポケモンの基本コンセプトでもある「収集」であると考察する。
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