会議文化を改善するために管理職が取るべき4つの行動
良い会議文化を醸成するために、管理職はどのような行動をとるべきでしょうか。ここからは4つの行動を紹介します。
問題を見つける
会議の目的や議題がはっきりしない、会議が多すぎる、準備が不足しているなど、会議の質向上を妨げる問題は明らかだと思うかもしれません。しかし、会議の質を改善する「ベストプラクティス」に飛びつく前に、実際に何が起こっているのかを確認すべきです。会議の問題点が必ずしも明白ではないこともあるのです。
下記は代表的な会議の問題点です。読者の皆さんが開いたり参加したりする会議に当てはまるものはありませんか?
重複:出席者に多少入れ替えがあるだけで同じような目的・内容の会議が複数ある。
出席者が適切でない:会議の目的に合致した出席者がいない場合、会議は非効率に感じられる。
長すぎる:標準的な会議は60分で設定されることが多く、その時間が必要かどうかに関係なく、時間いっぱい使おうとする傾向がある。
「ゾンビ」会議:定期的に開催するミーティングはリズムを作るために重要だが、目的を果たした後も開催され続けることがある。
問題を明確化し、解決法を試す
問題が明確になれば、改善に向けたアプローチ方法を決めます。チームで以下のことを試してみましょう。
- 会議の頻度を設定し直して、業務時間の50%を集中作業のために確保すると何が変わるだろうか。
- 定期的な会議を、メールやチャットツールでの共有やディスカッションに置き換えると何が起こるだろうか。
- 会議時間を25分、あるいは15分にしたら従業員の会議に対する姿勢はどう変化するだろうか。
実践に移す、模範となる行動をとる
チームメンバーに対して、「目的のない会議は全員断るべきだ」と宣言するのは簡単ですが、実際にはそううまくはいきません。解決法を実行するために、管理職自らが以下の行動で模範を示してみましょう。
1.全ての会議で「目的」と「議題」を設定する。
2.参加者にも「参加する目的」と「議題」を設定するように伝える。
3.議題に貢献できないと感じる場合は、参加を辞退するよう勧める。
これを繰り返すことで、不必要な会議の参加を辞退しやすくなるでしょう。
実践に移す、良い事例を共有する
組織には素晴らしい会議文化の例が必ず存在します。そのような会議を見つけ、そのチームが採用している仕組みやツールをまねしてみましょう。良い事例を多くのチームに共有して、組織全体の会議文化をアップデートしていきましょう。
これら4つのアプローチを繰り返すことで、充実した会議に進化するはずです。ぜひ皆さんの職場で実践してみてください。
著者プロフィール
向山 泰貴 (ミロ・ジャパン合同会社 代表執行役社長)
関西外国語大学・ニューヨーク州立大学卒業。ミロ・ジャパンに参画する前は、スタートアップ企業のDoorkelにて、最高執行責任者(COO)として経営企画、新規事業および事業オペレーションを担当。それ以前は、セールスフォース・ジャパンで10年以上にわたり活躍し、日本を代表するコングロマリット企業のグローバル統括責任者およびエンタープライズセールス部長を務め、日本のエンタープライズ企業のDX推進に貢献した。その後、Eコマース事業の執行役員として事業責任者を務めた。また、過去には日本NCRや日本テラデータなどのテクノロジー企業でも新規営業やハイタッチ営業を通じて企業の成長をけん引。2024年7月より現職に就任。
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