「サブウェイ」再浮上なるか ベタ惚れしたワタミが全てを賭けるワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)
ワタミが「サブウェイ」の本部とマスターフランチャイズ契約を結び、今後国内でサブウェイを展開していくことになった。サブウェイの歴史を振り返ると、国内では何度も辛酸をなめてきた。今回こそうまくいくのか、分析する。
ワタミは10月25日、日本サブウェイを完全子会社化した。グローバル本部であるオランダのSubway International B.V.と、日本におけるサブウェイのマスターフランチャイズ契約を締結し、今後ワタミが国内のサブウェイ事業を展開する。
本件の記者会見に登壇したワタミの渡邉美樹会長兼社長は「カーネル・サンダース氏は65歳で起業して、ケンタッキーフライドチキンを世界ブランドに育て上げた。私も今年65歳になった。今日を第2の創業として彼にならい、これから『サブウェイのワタミ』をつくりたい」と宣言。今後、ワタミの事業は、サブウェイがメインとなっていく見通しだ。
渡邉会長によれば「ワタミには国内外からハンバーガーのチェーンをやらないかと、話を持ち込まれたが、マクドナルドには勝てないと思った」とのこと。マクドナルドに勝てる強い商材、ブランドを探していたところ、サブウェイにたどり着いた。
「居酒屋のワタミが、なぜサブウェイ?」と思う人も多いだろう。渡邉氏がこれほどまでサブウェイに期待を寄せる要因には「ワタミモデル」との親和性が挙げられる。
ワタミは2002年から、有機野菜の栽培に取り組んでいる。現在は国内7カ所の「ワタミファーム」で農業・酪農を手掛けている、日本最大級の有機野菜の生産者でもある。「鳥メロ」「ミライザカ」「和民のこだわりのれん街」といったワタミの居酒屋に行くと、ワタミファームの野菜を使ったサラダなどのメニューがあり、ワタミファームから旬の新鮮な野菜を仕入れられる点は、サブウェイとの親和性が高い。
同社が北海道の美幌峠牧場で育てている乳牛のミルクから製造した「美幌グラスフェッドアイス」は、市販のアイスクリームと比較してカロリーが低い。非常にあっさりした味わいで、健康的な点もサブウェイとも相性が良く、売りになるだろう。
当面は、国内マクドナルドの店舗数に肩を並べるため、今後10年で現在の約180店から1000店超に拡大していく方針だ。サブウェイは9月現在で世界100カ国以上、約3万7000店を出店する巨大ブランドであり、マクドナルドの約4万店とそう遜色ないことから、ポテンシャルは間違いなくある。
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