検索からのWebサイト訪問は本当に減るのか?
続いて、Webサイトのトラフィックについて見ていきましょう。
今後、生成AI検索が主流になっていくことで、検索からのWebサイトへの訪問は確かに減少することが予測されます。ただし、完全になくなることはないと私は考えています。
第1の理由として、生成AI検索で情報収集を完結させるユーザーが増える一方で、一定数のユーザーは複数の情報源を確認する傾向にあるため、ユーザーインタフェースの観点から、Webサイトへのリンクは残ると考えています。
第2に、Googleなどのプラットフォームは、独占禁止法や著作権問題をなるべく避けるため、参考元サイトのURLを明記し続けると予測されます。プラットフォーム側も、良質なコンテンツの継続的な提供がプラットフォームの価値を支えているため、Webサイト運営者との共存関係を維持する必要があります。
第3に、最新テクノロジーに対してやや保守的な日本人の検索習慣は、生成AIの「精度と信頼性」「使いやすさ」が向上したとしても、それだけでは簡単に変化しないと考えられます。
仮に検索習慣が大きく変化するならば、スマートフォンのデフォルト検索エンジンが生成AI検索に変更されるなど、デバイス側の大きな変革があり、多くのユーザーが一斉に使い始めるようなきっかけが必要でしょう。そうでない限り、変化は緩やかに進むと予想します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「排熱が熱くないスポットクーラー」初日で完売、メーカーも驚く どう開発した?
メーカーも想定外の売れ行き。どうやってこの製品は生まれたのか。
インバウンド殺到の渋谷ドンキ 「月に1億円」売れるお菓子とは?
東京都で最も訪日客が訪れる街、渋谷のドン・キホーテでは何が一番人気なのか? インバウンド需要の最前線を取材した。
「“この施策おかしい”は褒め言葉」 ファミマ「たぶん40%増量作戦」の狙いは?
今年で4年目となる同施策。「たぶん」を付けたキャンペーン名にも理由があった。
なぜ、キットカットは日本だけ「40種類」もあるのか? 爆買いされるのに「外国人ウケ」は決して狙わないワケ
インバウンドに大人気なあのお菓子。商品開発の裏側は。
セルフレジで客が減る? 欧米で「セルフレジ撤去」の動き、日本はどう捉えるべきか
店舗におけるオペレーションDXは必要不可欠だ。しかし欧米では、セルフレジを撤廃する事例が現れ始めている。その理由を探ると、DXの本質が見えてくる。