1万円超え「諭吉コスメ」改め「栄一コスメ」の支持続く 節約志向で高まる「化粧は投資」の考え方(1/2 ページ)
物価高による節約志向から、落ち込みも予想された化粧品市場。しかし、美容系総合ポータルサイト「@cosme」を運営するアイスタイルによると「日本は物価高の影響はあったものの、比較的活気があった」という。背景にはあるメークアイテムの躍進があった。
美容系総合ポータルサイト「@cosme」を運営するアイスタイル(東京都港区)は12月5日、「@cosmeベストコスメアワード2024」を発表した。同アワードは、この1年間に@cosmeに寄せられた1年分の口コミ投稿を基に、消費者が支持している商品をランキング化したものだ。
物価高による節約志向から、落ち込みも予想された化粧品市場。しかし、アイスタイルの遠藤宗社長は「日本は物価高の影響はあったものの、比較的活気があった」と振り返る。背景にはあるメークアイテムの躍進があった。
アイスタイルが@cosmeユーザーに実施した調査によると、64.5%が「お金をかけるべきアイテムは何かを以前より考えるようになった」と回答。遠藤氏は「購入時に高い、安いといった価格で考えるのではなく、『この商品には購入する=投資する意味があるか』という観点で考えるようになっている」と指摘する。
効果や使い心地といったさまざまな観点から「購入=投資すべき」と判断すれば、たとえ高価格商品であっても購入する。こうした考えから、今年、消費者がお金をかけるべきと判断したのが、ファンデーションやコンシーラーといったベースメークに使用するアイテムだった。
@cosmeベストコスメアワード2024の上位10商品を見ると、ベースメーク関連商品が5商品と半数を占めた。前述の調査では35.3%が「ベースメークにお金をかけるようになった」と回答しており、それを反映する結果となった。
また、アイスタイルは、化粧下地やファンデーションなどアイテムごとのランキングも発表。結果を見ると、10アイテムのうち9アイテムがデパコスと呼ばれる高価格商品だった。物価高により節約志向が高まる中、なぜ消費者はベースメークにはお金をかけるのか。答えは長引く猛暑にある。
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