孫泰蔵氏らが自治体を変えるXinobiAI設立 AIエージェントを最速で実現(2/2 ページ)
AIエージェントを世界最速で実現しようと、孫泰蔵氏、馬渕邦美氏はAIスタートアップ「XinobiAI」(シノビエーアイ)を創立した。行政を含めて人手不足の解消に貢献することが狙いだ。孫・馬渕共同代表に今後の展望をインタビューした。
採用による人材獲得は難しい
AIエージェントを巡っていま、世界中の企業が技術的な競争を展開している。これに勝ち抜くために必要なのは、優秀な人材を集めるしかない。人材獲得について孫共同代表は以下のように指摘した。
「彼ら(優秀な人材)はなかなか(従来のような)採用はされないです。その会社が何を目指そうとして、どのようなビジョンを持っているかを重視していて、人との縁がポイントになります。来てほしい会社がユニークさと現実的な対応の両方を備えていないと、なかなか来てくれません。トップエンジニアを雇うのは難しく、プロジェクトごとに参加してもらう形が多くなっています。このため、これからは従業員数の多さを誇るのではなく、従業員数の少なさを自慢するようになるのではないでしょうか」
プロジェクトごとに優秀なエンジニアの知恵を借りて、必要とするプロダクトができたら、その対価を支払う。こうした一定の期間限定でトップエンジニアに協力してもらう方が、会社にとっても雇用契約を結ぶよりシンプルな関係のため好都合になってきている。エンジニアにとっても、雇用関係を締結して一社だけの開発に関わるよりも、多方面の複数の開発に関与した方が、自分のスキルアップにつながるとみているという。
最新のAI技術を発信しているシリコンバレーでは、こうした関与の仕方が一般的になってきているようで、日本でも広がってきそうだ。
子どもの将来に期待
孫共同代表は、デジタル技術を当たり前のように身に着けた将来の子どもの成長に大いに期待している。
「これからは先入観のない子どもたちは、AIをあっという間の使いこなすようになると思います。こうした子どもたちが成長して、社会のある一定量になると、社会は本当に根本から変わると思います」
XinobiAIの話を聞いていると、日本の直面している最大の課題である人手不足解消にAIが役立つ時代が来そうな予感がした。これまでAIの活用については、便利さは分かっていても、どのように使えばよいか理解するのが難しかった。そのため導入が遅れ気味で、生成AIの普及が足踏みしていた。
この難題を打開して、普及を加速してくれそうなのが、文字通り秘書の役割をしてくれるAIエージェントだ。これが実装されれば、AIやデジタルに詳しくなくても、普通に音声で要求すれば、すぐに答えを実行してくれる超便利な世の中になる。世界でも有数のAIエンジニアを集めたXinobiAIが、2025年中にどこまでAIエージェントを創造できるか、注目したい。
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