インタビュー
新クルーズ船「MITSUI OCEAN FUJI」就航 激化する「富裕層の獲得競争」:ディズニーも参入(2/2 ページ)
商船三井クルーズが新しいクルーズ船「MITSUI OCEAN FUJI」を就航させた。拡大しているクルーズ需要の中で、新たな客層を獲得しようとしている。向井恒道社長は「40歳から50歳くらいの働き盛りの世代にも、このクルーズ船に乗ってもらいたい」と述べ、これまで乗船していなかった年齢層にもクルーズ旅を経験してもらいたい考えを明らかにした。
日本船主vs.外国船主 競争激化は必至
2025年以降は日本にも本格的なクルーズが普及する時代になりそうだ。クルーズは移動が楽で効率的に観光地を回れることから、中高年に人気の旅行スタイルになってきている。こうしたことから日本船主のクルーズ船と、コスパが良いといわれる外国船主の船との間で、競争が激化することは必至で、どこまで乗客を獲得できるかが問われている。
外国船の船は日本船のクルーズよりもクルーズビジネスでのノウハウの蓄積があり、船上でのサービス面での優位性はある。一方で日本船は、日本食や日本文化を体験してもらうなど、独自のきめ細かいおもてなしサービスによって外国人富裕層を捕まえられるため、今後は両社によるサービス競争が関心を集めそうだ。
クルーズの客層はリピーターが多く、一度好きになると同じ船で何回もクルーズをする傾向があるため、特に最初のクルーズでどのような印象を持たせられるかが重要になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
6500室を一斉開業 欧州最大ホテルチェーン幹部に聞く「国内リゾート進出の狙い」
6471室を一斉開業する欧州最大ホテルチェーン 「投資は回収できる」と自信のワケ
日本に商機を見いだした欧州最大のホテル運営、仏アコーは2024年4月1日、日本初上陸となる「グランドメルキュール」12軒と、東京・銀座などで展開している「メルキュール」11軒の計23軒、6471室を一斉開業させる。CEOへのインタビューから日本を“狙い撃ち”した理由や、市場攻略のカギに迫った。
6500室を一斉開業 欧州最大ホテルチェーンが日本を“狙い撃ち”した理由
欧州最大のホテルチェーン仏アコーは2024年春、計23軒のホテルで6500室以上を一斉開業させる。これだけの数を一気に開業させる理由は何か? アコージャパンのディーン・ダニエルズ社長に狙いを聞いた。
販売初日に予約完売 帝国ホテル「サービスアパートメント」事業の開発責任者に狙いを聞いた
帝国ホテルがコロナ禍でのテレワーク需要を先取りして、客室を長期間貸し出す「サービスアパートメント」事業を発表した。販売初日で予約が満室になるなど、人気を博している。この事業に企画段階からかかわってきた小池崇裕企画部課長に、狙いと今後の展開をインタビューした。
アパホテル元谷専務に聞く 赤字だったプール事業を黒字化した一手
アパホテルの新たな可能性を引き出し続けているのが、アパホテル社長の次男・元谷拓専務だ。アパ社長カレーやポカリスエットプールなどを企画・プロデュースする。
コロナ直撃で「稼働率83.5%減」の衝撃 ホテル業界の経営者に求められる対策とは?
新型コロナの影響によって深刻なダメージを負ったホテル業界。PwCコンサルティングは、影響をまとめたレポート「COVID19:ホテル業界への影響」を6月にまとめた。今後の業界見通しと、経営者に求められる施策とは?

