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「千葉県版 時刻表」なぜ登場? 編集長が動かされた“いくつかの理由”週末に「へえ」な話(1/4 ページ)

来年、創刊100年を迎える『JTB時刻表』が、初めて「地域版」を刊行した。東京でもなく、大阪でもなく、千葉である。なぜ、千葉なのか。なぜ、紙の雑誌なのか。編集長に話を聞いたところ……。

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 ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン――。鉄道車両の座席で、分厚い雑誌のページをめくっている。その昔、こうした光景を目にするのは珍しくなかったが、スマホの普及によってほぼ見かけなくなった。

 鉄道の時刻表は、乗り換えアプリを使えば簡単に検索できるようになった。わざわざ紙の時刻表を持ち歩く必要がなくなったわけだが、ちょっとユニークな取り組みをして、鉄道マニアだけでなく、新たな読者を増やしている事例がある。JTBパブリッシングが手掛けている『JTB時刻表』である。


創刊号の表紙(C)JTBパブリッシング(以下、同)

 『JTB時刻表』の前身である『汽車時間表』が登場したのは、1925年のこと。来年、創刊100年を迎えるわけだが、どのような取り組みをしているのか。「スピンアウト」である。

 時刻表を見たことがない人は知らないかもしれないが、掲載しているのは鉄道の情報だけでなく、バス、船舶、航空など、日本全国の交通情報を網羅している。100年の歴史の中で、ずーっとさまざまな時刻表を提供してきたわけだが、このたび初めて「地域版」を出したのだ。


100年の歴史の中で、初めて地域版を刊行

 この話を聞いたとき、数年前、ガイドブック『地球の歩き方』が東京版を刊行し、話題になったことを思い出した。「他社の本が売れたから、時刻表でも東京版で」といった話ではない。今年の8月に「千葉県版」(660円)が登場したのだ。

 『JTB時刻表』を見ると、都市部のように電車が数分おきに運行している路線は、始発と終電のみ掲載していることが多い。このような話をすると「てことは、千葉が田舎ってこと? 確かに東京から離れれば離れるほど、自然が豊かになるけど、千葉より田舎の県はほかにもあるだろっ」などとチーバくんファンからお怒りの声が飛んできそうだが、少し前の出来事を思い出していただきたい。

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