「無料」を打ち出す企業も! 「進化系コインランドリー」が続々登場 洗濯のエンタメ化が進む背景(3/5 ページ)
クリーニング市場が落ち込む中、元気なのがコインランドリーだ。昨今は「進化系コインランドリー」と呼ばれる業態も増えている。いったいどのように「進化」しているのか。成長市場の現在をレポートする。
クリーニング市場が落ち込む半面、コインランドリーは成長中?
筆者は2020年に『コロナ禍で服の“クリーニング離れ”が深刻化 成熟市場でも消費者の心をつかむために必要な3つの視点とは』という記事を書いています。当時はコロナ禍の真っただ中でリモートワークが増え、ワイシャツやスーツを着る機会が激減し、クリーニングの利用回数が減少していた時期です。その後、クリーニング市場はどうなったのでしょうか。
クリーニング店舗数は2020年以降も減少が続いています。2023年時点で全国のクリーニング店は7万676店。2009年から見ると6万店舗以上(取次所も含む)の減少です。
店舗数の減少は、消費者のクリーニング利用とともに支出が減っていることが一番の理由です。マーケットサイズ(MS:1人当たり年間消費支出金額)を見ると、2023年は4712円でした。コロナ禍の2021年(4219円)と比較して増加に転じてはいますが、2019年比で1200円以上減っています。
コロナ禍でワークスタイルとともに仕事の服装が変わり、クリーニングへの支出が減少したのです。これに加えてクリーニング事業者は個人経営が多く、95%が従業員4人以下の零細企業です。経営者の50%以上が70代以上という高齢化が進んだ業界であるため、新しいことに挑戦する雰囲気がないのも市場の縮小に影響しているでしょう。
一方でコインランドリー市場は拡大を続けています。2009年には1万5426店舗でしたが、2021年時点で2万4500店舗。1万店ほどが増えた計算です。
矢野経済研究所によると、国内のコインランドリー市場規模は1000億円程度(2022年)とされています。店舗数が今も伸び、取扱商品やサービスも拡大している中で、今後はさらに成長していくでしょう。
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