「無料」を打ち出す企業も! 「進化系コインランドリー」が続々登場 洗濯のエンタメ化が進む背景(5/5 ページ)
クリーニング市場が落ち込む中、元気なのがコインランドリーだ。昨今は「進化系コインランドリー」と呼ばれる業態も増えている。いったいどのように「進化」しているのか。成長市場の現在をレポートする。
エンタメ化やさらなる低価格化も進みそう
進化系コインランドリーは、今後も進化を続けていくでしょう。東京・富ヶ谷で「D-Square Laundry」を運営するダイアナ(東京都渋谷区)では、本社1階に美容院やフットキュア、カフェ、そしてコインランドリーを集めた「トータルビューティースペース」を2023年2月にオープンしました。コインランドリーで洗濯している間に、カフェや美容室、フットキュアサービスで美と健康に浸ってもらうという狙いです。
コインランドリーの大手FC企業、WASHハウス(宮崎市)は、タッチパネルの大型モニターをつけたオリジナル洗濯乾燥機を開発しました。狙いはコインランドリーの施設そのものを広告媒体にするという「リテールメディア」の発想です。これにより収益を確保できれば「コインランドリーでの洗濯無料化が実現できる」と同社はいいます。実際にアプリ会員向けとして、10月に3日間限定の「洗濯乾燥無料キャンペーン」を実施しています。
コインランドリー業界は大手から中小までを含めた群雄割拠の状態です。新しい発想でどこまで進化を続けられるか、これからに注目していきたいと思います。
著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。直近では著書『図解入門業界研究 最新 アパレル業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本[第5版]』を刊行した。
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