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ドリップもサイフォンも、これ1台で実現 タイガー「毎日飲みたくなるコーヒー」開発の舞台裏透過式と浸漬式(5/5 ページ)

コーヒーの淹れ方には「透過式」と「浸漬式」があるが、1台で両方を可能にしたコーヒーメーカーが登場した。タイガー魔法瓶の「HYBRID BREW」だ。担当者に開発の舞台裏を聞いた。

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視覚に訴え嗅覚を刺激するデザイン

 コンセプトに掲げた「毎日使ってもらいたい」を実現するためには、所有欲が満たせるデザインも求められた。

 外見の特徴は、抽出過程が見えるようコーヒーサーバーとドリッパーを透明にしたこと。ドリッパーを本体内に収め見えないようしているコーヒーメーカーが多い中、本体の外に出し、さらに透明にしたことで、弁を閉じているときは湯がたまっていく様子、弁を開いたときはドリップが始まって湯が減っていく様子が分かるようにした。抽出過程を見えるようにし、視覚に訴えるところはサイフォニスタから受け継いだ。

 「コーヒーを淹れている時間を楽しんでほしいという思いから抽出の様子が見えるよう、ハンドドリップでコーヒーを淹れるときと近い雰囲気を出すことにしました」と久木野さん。視覚に訴えるだけではなく、香りを感じてもらい嗅覚を刺激することも心がけた。そのため、本体とドリッパーの間、本体とコーヒーサーバーの間に意識的にすき間を設け、香りが立ち上りやすくした。


本体とドリッパー、本体とサーバーの間は意識的にクリアランスを広めにとり、コーヒーの香りが感じられやすくした

 価格は1台3万3000円(公式オンラインストア)。販売はECサイトがメインで、家電量販店でも一部取り扱っている。「当社のコーヒーメーカーのブランディングに重点を置いた商品にしたいという思いがあり、販売数量拡大のためだけに開発した商品ではありません」と間谷さんは明かす。


タイガー魔法瓶の久木野景介(左)さんと間谷仁美さん

 売れ行きはいまのところ、計画通りに推移しているという。今後の販売動向を見ながら本格的な販促を検討していく。

 「ハイブリッド式は新しい抽出方法なのでまだ浸透していません。まずはHYBRID BREWとハイブリッド式を知ってもらうと同時に、タイガー魔法瓶がコーヒーメーカーをつくっていることを国内・海外で注目してもらい、他のコーヒーメーカーの普及にもつなげていきたいです」と間谷さん。

 試飲会などでハイブリッド式の味を直接体験できる機会をつくり、広く知ってもらうことが、今後さらに重要になるだろう。

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