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ドリップもサイフォンも、これ1台で実現 タイガー「毎日飲みたくなるコーヒー」開発の舞台裏透過式と浸漬式(4/5 ページ)

コーヒーの淹れ方には「透過式」と「浸漬式」があるが、1台で両方を可能にしたコーヒーメーカーが登場した。タイガー魔法瓶の「HYBRID BREW」だ。担当者に開発の舞台裏を聞いた。

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透過式より雑味が抑えられた味わい

 HYBRID BREWは「Rich」「Strong」「Iced」の3つの抽出モードを搭載している。蒸らし工程は全モードで浸漬蒸らしを行い、抽出工程は「Rich」「Iced」では透過と浸漬を交互に繰り返す。「Strong」だけはすべて透過で抽出を行う。


モードを選択する本体の「Menu」キー

 抽出プログラムの構築は手探りで進めた。久木野さんは次のように話す。

 「浸漬式と透過式のハイブリッドにすることで、透過式で淹れたコーヒーより雑味を抑えられるイメージを持っていました。とはいえ、そのような味わいを実現するためにどうやってコーヒーメーカーを動かせばいいかについては、抽出プログラムをつくっては実験と検証を重ねて決めていきました」

 味づくりの難しさは、抽出プログラムだけでは味が決まらない点にある。弁の大きさ、上から湯を注ぐスピード、ドリッパー内側のリブ(溝)の入れ方など細かいところも考慮しなければならなかった。

 コーヒーロースター(焙煎士)のアドバイスを受けながら味づくりは進めたが、最初のころの評価は「いいものはできそうな傾向はあるけど、まだやりきってはいない」。これまで味わったことがないようなものができそうだったが、全体的に味が薄く、浸漬式の特徴を十分に生かせていなかった。

 それでも、同社としては透過式と浸漬式のハイブリッドは、方向性として間違っていないことを確認できた点が大きな収穫になった。おいしいコーヒーが抽出できるレベルに達したのは2023年11月ごろで、そこからさらに1年近く「Rich」「Strong」「Iced」のモードごとの味をつくるのに時間がかかった。


「HYBRID BREW」で実現したハイブリッド式抽出の大まかな流れ。透過式と浸漬式を繰り返しながらバランスよく抽出する

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