2015年7月27日以前の記事
検索
連載

「ホンダ+日産=世界3位」素直に喜べない理由は? パワー半導体をめぐる“次の競争”スピン経済の歩き方(2/7 ページ)

ホンダと日産自動車の経理統合が話題だが、それを前のめりでゴリ押ししているのが、霞ヶ関の高級官僚たちだ。その狙いは……。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

「ホンダ・日産連合」を望む人たち

 なぜこんなにも前のめりで「ホンダ・日産連合」をゴリ押ししているのかというと、マスコミがネタ元として重宝している、霞ヶ関の高級官僚たちがそれを望んでいるからだ。

 そもそも今回の経営統合の話が始まったきっかけは、台湾の鴻海精密工業(以下、ホンハイ)が日産買収に動いたことにある。


ホンダの三部敏宏社長

日産の内田誠社長

 台湾メディアが報じたところでは、かつて日産のナンバー3である副最高執行責任者を務め、現在はホンハイの電気自動車事業の責任者である関潤氏が、ルノーが保有する日産株を取得できないかフランスに渡っているという。

 このようにホンハイに呑み込まれそうな動きを察知した日産が、慌ててホンダとの経営統合を進めた。そして、それを陰ながらバックアップしていたのが、経済産業省といわれている。

 実はホンハイは中国とビジネス的なつながりが強い。「経済安全保障」を掲げる経産省としては、国の基幹作業である自動車を、中国に近い企業に取られてしまうことにかなり抵抗があるという。

 ホンダとくっついてくれればこれほどありがたい話はない。しかも、日本は自動車メーカーが乱立しており、経産省としても国際競争力向上のために「連携」を呼びかけていたので、渡りに船ともいえる。

 そこでこれを既成事実化させるため、「御用聞き」的なマスコミを用いて、「資本提携サイコー」の世論をつくっているとの見方もある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る