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なぜ経営難に陥る「神社」が増えたのか? 神社本庁システムの“限界”に迫るスピン経済の歩き方(5/7 ページ)

神社の数が年々減っている。背景には神社本庁を本部としたフランチャイズシステムに限界があるように見えるが、どういうことかというと……。

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神社の観光スポット化、海外の例も

 神社の境内に地域の観光案内所を設置し、スペースに余裕があれば地域の野菜や特産品を販売したり、レストランも併設したりする。場合によってはイベントなどで「貸切」や、宿泊施設としても開放するのだ。


道の駅イメージ(出典:Kana Design Image - stock.adobe.com)

 もちろん、収益を上げた分は宗教活動ではないので、しっかりと課税する。明治神宮のように不動産関連の収入があるような神社はそちらに頼ることができるが、それができないところは「観光での稼ぎに頼る」しかないのではないか。

 「神聖な神社を、マナーの悪い観光客が土足で踏み荒らすような場所にできるわけがないだろ!」という痛烈なお叱りが飛んできそうだが、世界では神聖な場所を「観光スポット」としてブラッシュアップすることで保護するのが主流だ。

 例えば、エジプトのピラミッドだ。

 ご存じのように、あの遺跡は人類共通の財産であると同時に、エジプト人にとっても神聖な場所だ。しかし、つい最近、そこを有名YouTuberが貸し切った。

 世界一のチャンネル登録者数を誇るYouTuberのMrBeast(ミスタービースト)氏は、エジプト政府の協力のもとクフ王の大ピラミッドを貸し切って、中で一泊して幽霊探しをしたという。

 世界遺産の私的利用は、これが初めてではない。2024年初頭には、テック起業家と元プロレスラーが結婚式を行うためにピラミッドとスフィンクスを1週間貸し切り、一般公開を中止している。

 このような話を聞くと、「エジプト人はピラミッドを金もうけの道具くらいにしか考えてないんだな」と勝手に日本人のモノサシで考えてしまいがちだが、そうではない。これがピラミッドという神聖な場所を守るためにベストな方法だと考えているからだ。

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