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派遣会社の約4割「直近3年で利益減」 倒産件数も増える中、どう動く?

派遣会社の倒産が増えており、利益が減っている企業も4割に上る。実態を調査した。

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 人材派遣会社の倒産件数が増えている。帝国データバンクの調査によると、2023年1〜11月の倒産件数は72件で、2015年以降で考えると過去最多だという。

 そんな中、人材派遣会社はどのように利益向上に取り組んでいるのか? 人材派遣管理システム「スタッフナビゲーター」を提供するユニテックシステム(東京都千代田区)の調査から実態が見えてきた。

約4割が「直近3年で利益減」 人手不足やコスト増、どう乗り切る?

 人材派遣会社の経営者・役員、部長・課長クラス100人を対象に調査したところ、90.0%が「人手不足やコスト増が会社の利益に影響を与えている」(「非常に感じる」「やや感じる」の合計)と回答した。


9割が「人手不足やコスト増が会社の利益に影響を与えている」と回答(画像:以下、プレスリリースより)

 実際に、直近3年間で「利益が減少している」と回答した企業は37.0%と約4割に上った。一方で45.0%は「増加している」と回答しており、企業によって差がみられた。


直近3年間の利益の変化は?

 DXの取り組みについてはどうか。利益向上を目的としたシステム導入やDXの取り組みを尋ねたところ、49.0%が「すでに取り組んでいる」、31.0%が「これから取り組む予定である」と回答。

 システム導入やDXを進めている領域としては「派遣労働者(スタッフ)の管理」が65.3%で、最も多かった。以降「派遣先(クライアント)の管理」「人材マッチング」(51.0%)、「就業管理」(46.9%)、「派遣先への請求、派遣スタッフへの給与支払い」(30.6%)と続いた。


システム導入やDXの取り組みの進捗度合い

 システム導入やDXに「すでに取り組んでいる」と回答した人を対象に、具体的な施策を尋ねた。最も多かった回答は「管理システムなど、コスト削減を目的とした業務効率化」(65.3%)だった。2位は「派遣スタッフのスキルアップを図るための研修・教育」(51.0%)、3位は「特定の業界や職種に特化したニッチ市場への参入」(34.7%)という結果に。


システム導入やDXの取り組みを進めている領域

 実際にコスト削減などの効果は感じられているのか? 具体的な取り組みについて回答した人を対象に調査したところ、27.7%が「非常に実感している」と回答。「やや実感している」(61.7%)と合わせると約9割に上った。

「DX進められていない」 そのワケは

 システム導入やDXに「これから取り組む予定である」(31.0%)、「取り組む予定はない」(15.0%)を回答した人に「DXを推進できていない理由」を尋ねたところ、過半数が「DXを推進する人材が不足している」(58.7%)を挙げた。以降「必要性を感じていない」(26.1%)、「資金が不足している」(19.6%)と続いた。


講じている施策

 ユニテックシステムは調査について「人材派遣業界においてDXの重要性が広く認識され、実際に取り組みを進めている企業の多くが成果を実感していることが明らかになった。一方、まだDX推進に取り組めていない企業では、DX人材の不足が障壁となっている。厳しい経営環境の中で持続的な成長を実現するためには、DX人材の確保・育成と、業務効率化を中心としたデジタル化の推進が求められる」とコメントしている。

 調査は人材派遣会社の経営者・役員、部長・課長クラス100人を対象にインターネットで実施した。期間は2024年12月10〜11日。

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