なぜ「お弁当向け冷凍食品」からトレイが消えた? 答えは、担当者の“くるくる巻き”にあった:味の素冷凍食品の「おべんとPON」(2/4 ページ)
味の素冷凍食品が2024年8月に発売したお弁当向け冷凍食品「おべんとPON」シリーズが反響を得ている。発売のきっかけや狙いを担当者に聞いた。
お弁当づくりの新しいカタチを提案
おべんとPONシリーズの特徴は、冷凍庫のスキマに「シュッ!」と入れられること。箸を使わずに「ポンッ!」と盛り付けられ、捨てるときは小さく丸めて「ポイッ!」と捨てられる。お弁当づくりの新しいカタチを提案する商品だ。
同社は新商品の開発にあたって、「キッチンバリューチェーン」の考え方に沿って行動している。「店頭」「台所」「食卓」「地球(環境)」の4つのシーンで消費者の実態を捉え、それぞれの場面で商品力を高めることによって、顧客満足を実現するという独自の考え方だ。
おべんとPONシリーズについても、商品自体のおいしさに加え、調理前後も消費者にとって価値のある商品をつくりたいといった思いから考案している。
では、お弁当をつくる人が冷凍食品に求めていることは何だろうか。とある調査によると、お弁当づくりにおいて最も重視するポイントは「時短でつくれる」(50.6%)ことで、「栄養バランス」(43.3%)や「見た目・彩り」(38.0%)を上回る結果だった(複数回答)。
こうした背景も踏まえ、同社は商品自体のおいしさはもちろん、「時短でつくれること」を重視した。冷凍庫がいっぱいでも迷わずに収納できるか、つくるときに快適か、お弁当に入れて配置しやすいか、などを配慮して開発を進めた。
開発着手は発売から2年以上前にさかのぼる。その間、上記のニーズを満たす商品開発に加え、環境配慮にも力を入れていた。
「味の素グループとして廃棄ゼロを掲げている中で、顧客から『トレイがかさばる』という声があった」そうだ。お弁当向け冷凍食品の需要が高まる一方、「冷凍庫収納時のスペース問題」「使用時のトレイ切り離し手間」「廃棄時のトレイゴミのかさばり」といった、お弁当向け冷凍食品に使用している「トレイ」に多数の不満があることが分かった。
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