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ココイチはなぜ、つけ麺・ジンギスカン・もつ鍋に挑むのか?マーケティング戦略の観点から分析(6/7 ページ)

カレーで有名な「ココイチ」を展開する壱番屋。シナジー効果が見込みづらい新業態に進出する意図は何なのか?

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他業態進出の背景と可能性

 では、つけ麺やジンギスカン、もつ鍋といった業態には、具体的にどのような強みがあるのだろうか。つけ麺業態は、近年のラーメンブームの派生として国内外でも高い人気を集めており、かつテイクアウトや宅配需要とも親和性がある。ジンギスカンはヘルシー志向から注目されるラム肉料理として一定の需要が見込まれ、もつ鍋は地域色が強く、専門店として差別化を図りやすいメニューである。いずれの業態も、市場全体としては伸びしろがありそうだという点が共通している。

 また、壱番屋が新業態開発で最も強みにできるのは、フランチャイズ展開のノウハウや立地戦略、厨房オペレーションのマニュアル化といった“ソフト面”の転用である。食材やレシピの共通化こそ難しいが、店舗運営管理の仕組みづくりやスタッフ教育に関する知見は、飲食店の種類が異なっても生かせる部分が多い。これこそ、壱番屋が長年カレー専門チェーンを拡大してきた中で培った資産だといえよう。

 さらに、ハウス食品グループの傘下に入ったことで、原材料調達や食品開発のサプライチェーンを活用できる可能性もゼロではない。表面的にはカレーとの共通点が少ないようでも、調味料開発や海外進出時のネットワークなど、何らかの形でグループ内のシナジー効果が見込めるかもしれない。実際に、すでに海外展開を進めているココイチのノウハウを、“日本食”業態へ展開する狙いがあるとも考えられる。

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