「北海道のボールパーク」人気の理由は? 418万人を引き寄せた“試合以外の300日”(2/5 ページ)
なぜ野球の試合がない日でも、多くの人が集まるのか。北海道日本ハムファイターズの本拠地「北海道ボールパークFビレッジ」のことである。その秘密を取材したところ……。
「野球以外の300日」が生み出す可能性
2024年シーズン、北海道日本ハムファイターズは前年の最下位から2位へと躍進したほか、9人の選手がオールスターゲームに選出されるなど、チームの勢いが集客を後押しした。VIPルームも設置し、年間契約のほか1試合単位での利用もできることから売れ行きは好調だった。
施設内にはフィールドを一望できるホテル「TOWER 11」、温泉とサウナが楽しめる「tower eleven onsen & sauna」、オリジナルクラフトビールを提供する「そらとしば by よなよなエール」など、従来の球場では見られないような設備が整っている。
球場の外野席は無料開放されており、運が良ければ選手の練習風景を間近で見ることも可能だ。
しかし、プロ野球はホーム球場で開催できる公式戦は年間70試合程度しかなく、残りの約300日をどう活用するかが、球場経営の大きな課題となる。この点に関して、北海道ボールパークFビレッジは開業当初から試合がない日の集客に力を入れてきた。
球場の外には、年中利用できるグランピング施設の「BALLPARK TAKIBI TERRACE ALLPAR」や、あそび道具を提供するボーネルンド社の直営施設「リポビタンキッズ PLAYLOT by BorneLund」などがあり、野球以外のコンテンツが充実している。
また、グルメ、推し活イベント、音楽ライブなど多彩な催しを年間を通じて展開。イベントの実施日数は年間の約90%に上った。「みんなのパン&スイーツまつり」「北海道グルメフェス」に加え、日本と韓国野球界のレジェンドを集めた「日韓ドリームプレイヤーズゲーム」、Bリーグ「レバンガ北海道」の公式戦など、独自性の高いイベントを実施した。
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