”幽霊”がおもてなし? ゴーストタウン再生のヒントは「心霊と一緒に暮らす」:スピン経済の歩き方(6/6 ページ)
地方だけでなく大都市でも人口減少が加速している日本。弱肉強食化する自治体の世界で生き残るためには――。
人口減少が進む自治体が生き残るには
有名温泉やスキー場がない無名の「村」であっても、外国人観光客の誘致に成功すれば、自治体存続の道を見い出すことができるかもしれない。その一つが「廃墟テーマパーク」や「心霊廃墟」ということだ。
もちろん、「廃墟活用」でももうちょっと住民の理解の得られるものをやりたい自治体も多いだろう。空き家を使った室内野菜栽培などが注目を集めている。確かに、海外でも廃墟を活用した野菜工場などが普及してきているので、「心霊ツアー」「廃墟テーマパーク」など突飛な話よりも住民の賛同が得られやすい。自治体としてもやりやすいだろう。
ただ、「やりやすい」ということは競合がたくさんいて、個性が出しづらいということだ。「産業も特色もない街」がどこの自治体でもできそうな施策をするだけで生き残れるなら、そもそも744もの自治体が消滅するなんて話になっていないのではないか。
先ほど申し上げたように、日本の自治体にとって「再生」といったのんびりした話をする段階はとっくに過ぎていて、「食うか食われるか」というシビアな生存競争が始まっている。
「その他大勢」とともに消えていきたくないのなら、なりふり構わず、必死にもがいていくしかないのではないか。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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