サントリーの「割って飲む」ドリンクが好調 「売れるのか?」と悩む上司を「タコパ」で説得(4/4 ページ)
サントリー食品インターナショナルが手掛ける「おうちドリンクバー」シリーズが好調だ。おうちドリンクバーは炭酸水などで割って飲む濃縮タイプの飲料で、2024年4月に発売したところ、年内目標(4〜12月)の2倍強を売り上げた。開発の経緯をブランドマーケティング本部の宮内優洋氏に聞いた。
若年層にもウケたおうちドリンクバー
2024年9月に「デカビタC」を発売した際は、プロモーションに人気TikToker4人を起用。「おうちドリンクバー#原液実験」と題し、それぞれが、おうちドリンクバーを使ったオリジナルドリンクを作るプロジェクトを展開した。
また、おうちドリンクバーの公式Instagramでは炭酸で割る以外にも、牛乳で割った「レモンラッシー」「メロンミルク」、お酒で割った「C.C.レモンサワー」「デカビタハイボール」、温かいドリンクとして「C.C.レモネード」などアレンジレシピを紹介している。こうしたSNS施策の強化もあり、メイン購買層である30〜40代に加えて、若年層の獲得も進んでいるという。
サントリーの推計によると、2024年の濃縮飲料全体の市場規模は2021年比で約1.3倍に拡大したという。宮内氏は今後の濃縮飲料市場について「まだまだ伸びる」と分析している。
「おうちドリンクバーは、濃さを自分で調整できます。子どものころは甘い炭酸飲料が好きだったけれど、大人になるにつれて甘すぎて苦手になった人も多いのでは。そうした人も、おうちドリンクバーならば自分好みの濃さや味で、甘い炭酸飲料で楽しんでいただけます」(宮内氏)。「割って飲む」というひと手間を提供することで、炭酸飲料の新しい選択肢となったおうちドリンクバー。サントリーの新たな定番商品として市場に定着するか、注目だ。
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