見慣れたロゴなのに、なぜ再注目? イトーヨーカドーの「ハトグッズ」が人気の理由:週末に「へえ」な話(1/3 ページ)
イトーヨーカドーの「ハトグッズ」が売れている。お茶碗にハト、食パンの袋にハトなど。デザインがインパクトなのでびっくりしている人も多いかもしれないが、なぜ人気を集めているのか。
パンツに、ハトハトハトハトハト――。
色は赤・青・白。ド派手なデザインと色づかいのパンツが登場すると、SNSではこんなコメントが飛び交った。「なんだこりゃ。攻めてるな〜」「ダサいが、かわいい」「ハト柄がよくて、買ってしまった」といった具合に、おおむね好意的な声が目立った。
このパンツが登場したのは2020年のこと。イトーヨーカドーが創業100周年を迎えるにあたって、同社のロゴ「ハトのマーク」を使ったパンツを販売したのだ(期間限定)。
SNSで盛り上がったものの、売り上げは期待したほどではなかった。しかし、「ハトのマークを使ったパンツって、どんなモノなの? 実物を見てみたい」と興味を持つお客が多く、店に足を運ぶ人が目立った。
ネットで話題になったので、商品に集客力があるのではないか。パンツは買わなくても、来店すれば何か買ってくれるかもしれない。同社はこのように考え、翌年も夏に販売。パンツだけでなく、食パンの袋にハト、お茶碗にもハト、水筒にもハト。さまざまな商品にロゴのハトを施し、そのたびにSNSで話題になったのだ。
期間限定で、ちょっとずつちょっとずつ販売してきたわけだが、2024年9月に転機があった。
ご存じのように、イトーヨーカドーは業績低迷を受け、全国で閉店が続いている。青森県の弘前店も2024年9月にシャッターを下ろすことになったわけだが、グッズの担当者はあることを考える。「閉店セールと一緒に、ハトのグッズを販売できないか」と。
トレーナーやTシャツにはハトの柄だけでなく、大きな文字で「イトーヨーカドー」と書かれている。この商品を目にした担当者は「ちょっと売れないかも」と心配したものの、それは杞憂(きゆう)に終わった。商品を手にするお客が相次いだのだ。
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