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スタバVS.コメダ 日米コーヒーチェーン徹底比較で見えてきた立ち位置(2/6 ページ)
人気カフェチェーンのスタバとコメダ。実はこの2つは、同じ日本でシェアを拡大しつつも、絶妙にターゲットや店の目的が異なる。両者の特徴を見ながら、日本のコーヒーチェーンの現在地と未来について考えてみよう。
強烈なブランディングでインパクトを与えたスタバ
スタバ一号店は1996年、銀座松屋の裏手に誕生した。当初は都心部を中心とする出店だったが徐々に地方や郊外、駅や空港、さらには役所のような公共施設にまで貪欲に出店を伸ばしてきた。
スタバの特徴を一言でいえば「強烈なブランディング戦略」であり、「家庭でも職場でもない『サードプレイス』を目指す」という理念がそれをよく表している。本来、店舗が増えれば増えるほど、こうしたブランドは薄れるはずだが、スタバの場合はまだそのイメージが保たれている。
こうしたブランディングを成立させる条件は何か。よく指摘されるのは、スタバは日本においてそのほぼ全店が「直営店」だということ。つまり、本部を中心としてその意向が比較的各店に浸透しやすくなる。
ただ、筆者が考えるに、スタバが秀逸なのはオペレーションの問題もさることながら、その店舗の作り方の「そもそも」の部分で強烈なブランディングに成功していることだと思う。
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