ワークマン・ドンキの「着るこたつ」、電気代高騰を追い風に進化 消費者のニーズにどう対応?(2/3 ページ)
近年、手軽に温まることができる「着るこたつ」が人気を集めている。電気代の高騰を受け、エアコンで家全体を温めるのではなく、体を温める方が経済的だと考える人が増えたことが背景にあるという。各社が発売する着るこたつの特徴や売れ行き、消費者の反応をまとめた。
形状が変わったドン・キホーテの着るこたつ
ドン・キホーテがPB商品として販売している「こたつウェア」は、胸元から足先までを覆う毛布の中にヒーターを内蔵した、着るタイプの暖房器具。消費者の声を受けて毎年改良を続けており、2024年の最新モデルでは形状を大きく変えたという。
こたつウェアは、ドン・キホーテがホカロンとの共同開発商品として企画した。2022年に発売したところ、「エアコンより少ない電力で身体を温めたい」という節電ニーズから人気商品に。当初、電源はコードタイプだったが、消費者からの「コードの長さ分しか移動できず不便だ」というダメ出しを受けて、2023年モデルはUSBタイプに変更。胸元のポケットにモバイルバッテリーを入れる仕様とした。コード部分をなくしたことで、1万1800円から9980円と約2000円の値下げにも成功している。
2024年モデルは「すっぽりかぶれる」形状に変更された。それまでのこたつウェアはサスペンダー型で、身長に合わせてボタンで肩ひもを調整する仕様だった。しかし、消費者から寄せられた「肩が寒い」という声を受けて、肩まで覆われた毛布から、手と頭だけを出すデザインに変更。名前も「すっぽり #動けるこたつウェア」に改めた。
肩の温かさを確保した一方で、テレワークや家事(洗い物など)をする際にもそのまま着用できるよう、袖の丈は短めにしている。こうした工夫やサスペンダーのタイプで必要だった留め具を省いたり、素材も形状の変化に合わせて改良したりしたことから、重量が15%削減。従来の商品に寄せられていた「もう少し軽くしてほしい」という要望にも応えることができたという。
すっぽり #動けるこたつウェアのサイズは120(幅)×105(奥行き)センチで、身長135〜180センチに対応する。ヒーターは表側に4面搭載しており、2面ずつ電源を入れられるようにすることで、部位に合わせた温度調節を可能とした。
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