2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

「金麦に合うかっぱえびせん」発売 糖質75%オフとコラボ、背景に消費者の“罪悪感”?

カルビーは2月3日、「絶品かっぱえびせん 五島灘の塩と甘酢しょうが味」を期間限定で発売する。同商品は、サントリーの「金麦(75%オフ)」に合うおつまみとして共同開発したもの。その狙いは?

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

 カルビーは2月3日、「絶品かっぱえびせん 五島灘の塩と甘酢しょうが味」を期間限定で発売する。同商品は、サントリーが展開する第3のビール「金麦(75%オフ)」に合うおつまみとして共同開発したもの。コラボ展開により、両ブランドの「セット買い」による新たなファンの獲得を図る。

photo
新発売の「絶品かっぱえびせん 五島灘の塩と甘酢しょうが味」(提供:カルビー)

「お手ごろ同士」で好相性?

 カルビーは「絶品かっぱえびせん」シリーズを、2020年4月に発売。ターゲット層は主に50代の男性で、「家飲み」時のおつまみ需要に特化した商品として展開している。

 「絶品かっぱえびせん 五島灘の塩と甘酢しょうが味」は、まろやかな味わいが特徴という「五島灘の塩」と、すし屋の「ガリ」をイメージした甘酢生姜の味を取り入れた新商品だ。

photo
ビールなどに合う商品として訴求している(公式Webサイトより引用)

 「絶品かっぱえびせん」と併せて購入されている最も多いお酒が、「金麦(75%オフ)」というデータが確認されたことから、カルビーがサントリーに共同企画を打診。味の改良などでアドバイスを得て、商品化した。

 カルビーの木村真理子氏(マーケティング本部 かっぱえびせんチーム)は、「どちらも手ごろな価格帯で『お酒もおつまみもたくさん食べたい』人にとって相性が良い。スナック菓子を食べるときの罪悪感を減らしたい人が、糖質75%オフを手に取っているのでは」と、「セット買い」の背景を分析する。

photo
金麦(糖質75%オフ)

ファン投票で決定

 企画に大きくかかわったのが、「絶品かっぱえびせん」のファンコミュニティー「絶品部『やめられない、とまらない課』」だ。同社がシリーズのブランド力向上を図り、2022年6月にオンライン上で立ち上げたもので、2024年12月末の時点で1085人が登録している。商品情報やアンケートを配信するほか、「こんなお酒が合う」といった情報をファン同士が共有する場となっているという。

photo
ファンコミュニティーを展開(提供:カルビー)

 同社では企画にあたって、コミュニティー内で「金麦(75%オフ)に合う絶品かっぱえびせんの味」を募集。「花椒(ホアジャオ)」「韓国海苔」「キムチ」「だししょうゆ」など47案が挙がる中、最終候補を「柚子胡椒」「あごだし」「甘酢しょうが」の3案に絞り込んだ。

 その後、「絶品かっぱえびせん」ファンとサントリーから参加したビール醸造家が、3種の試作品を実際に試食。投票を行い「甘酢しょうが」味の商品化を決定した。実際に参加したファンは「辛口なコメントでカルビーの社員もタジタジになるほど、熱い議論だった」と振り返る。

photo
共同企画のプロセス(同上)

 同商品は、2月3日から全国のコンビニで先行発売。17日から、コンビニ以外の店舗でも発売し、5月下旬までの販売を予定する。

 一部エリアのスーパーにおいては「お酒の売り場」でも展開する。メインターゲットは従来品と同じく50代の男性だが、「金麦(糖質75%オフ)」のメイン顧客である、健康志向の30〜50代にもアプローチを広げたい考えだ。

 木村氏は「共同で取り組んだからこそ実現できた、ありそうでなかった味だ。引き続き別のお酒とのコラボも検討していきたい」とコメントした。共同企画は「金麦」と「絶品かっぱえびせん」にとって、新たなファンの獲得につながるか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る