――温泉旅館の普遍的な価値、変えてはならない本質とは、どのような部分か。
いくつかの要素がある。1つは日本的な建築デザイン、空間、世界感がしっかりと実現されていることだ。日本らしい建築、部屋、スタッフの衣装のデザインなどを含めた日本旅館は、「日本文化のテーマパーク」として海外の人たちの興味をひくはずだ。また、リゾートは周囲のランドスケープ(風景)の要素が大きいので、建物とランドスケープの調和ということも非常に大事になってくる。
2つ目は日本食をしっかり出すこと。3つ目はわれわれならではの「おもてなしの在り方」を提供し続けることだ。先ほども触れたが、季節の移ろいに合わせ、お客さまが訪れる度にしつらえを変えていくということもとても大事だ。
そして、4つ目が温泉体験。水着など着用せず、日本の温泉をしっかりと体験していただけるようにする。
裸の温泉文化、欧米で受け入れられるか?
――水着を着用しない日本の温泉文化は、欧米ですんなりと受け入れられると思うか。
最初は文化の違いの壁にぶつかることはあると思うが、問題なく受け入れられるだろう。私がアメリカに留学していた30年前、刺身を食べる私を見て大学院の同級生たちは、「日本人はローフィッシュ(生魚)を食べるのか!」と物珍しそうに見ていた。しかし、あれから30年がたち、今では彼らはニューヨークで普通にすしを食べている。
この30年で、世界の日本文化に対する理解は、劇的に変化した。そして、ここで重要なのは、すしが世界中に広まったのは「本物さ」があったからだ。温泉もこれと同様であり、本物の日本の温泉文化を提供するべきなのだ。
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