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小林製薬、純利益半減 「紅麹問題」で食品・通販苦戦 増収した事業は?(2/2 ページ)

小林製薬は2月10日、2024年12月期(24年1〜12月)決算を発表した。「紅麹問題」の影響を受け、純利益は100億6700万円(同50.5%減)と半減した。

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海外は増収減益、中国では不振

 海外事業では、米国・中国・東南アジアを中心に、カイロや額用冷却シート「熱さまシート」、外用消炎鎮痛剤「アンメルツ」などで広告・販促に積極的に投資。その結果、売上高は468億4100万円(同6.1%、セグメント間の内部売上高または振替高を含む)と増収したものの、セグメント利益は12億7200万円(同60.5%)で増収減益となった。

 米国では、2023年10月に買収した、サプリメント・一般医薬品を販売するFocus社の売上貢献や、円安基調が寄与。売上高(外部顧客への売上高、以下同)は212億4600万円(同24.6%増)と増収した。

 中国では3月から8月まで続いた広告停止や、例年に比べインフルエンザなどの感染症が流行せず、熱さまシート需要が低迷したことが影響。売上高は、110億8200万円(同18.8%減)と減収となった。

 東南アジアでは、主力の「熱さまシート」と「アンメルツ」が好調に推移。円安基調も寄与し、85億7500万円(同8.1%増)と増収した。

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国際事業の地域別売上高(外部顧客への売上高のみ)

 その他事業(運送業・合成樹脂容器の製造販売・不動産管理・広告企画制作などを含む)では、資材やサービス提供について納入価格の見直しを実施。売上高は65億1100万円(同7.8%減、セグメント間の内部売上高または振替高を含む)、セグメント利益は2億4600万円(同46.3%減)と、減収減益となった。

 同社は2023年2月に、2025年12月期を最終年度とする中期経営計画を公表していたが、紅麹関連製品の回収事案の発生により、これを取り下げている。

 同事案に関しては、現在も汚染経路の推定などの調査を行政主導で継続中だとした上で、「健康被害に遭われたお客さまへの補償について真摯に対応し、再発防止に向けた取り組みを進めることで、信頼回復に努めてまいります」とコメントしている。

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