どうなる「『#ワークマン女子』やめます宣言」 3回目の衣替えは単なる「迷走」か(2/6 ページ)
#ワークマン女子がワークマンカラーズに名称変更される。その背景にある戦略と真意とは?
ワークマンカラーズへの衣替えの真意は
まずは発端となったリリースを見てみよう。
ここでは「#ワークマン女子」78店舗を「ワークマンカラーズ」へと改名していくと述べている。それだけでなく、ワークマンカラーズの新規出店も加速させる。2月20日にはワークマンカラーズ桜井店(奈良県桜井市)をオープンする他、既存店の#ワークマン女子3店舗をワークマンカラーズに変え、4店舗を同時にスタートさせる予定だ。
#ワークマン女子については先ほど説明した通りだが、その代わりに出店が進められるワークマンカラーズは、ワークマンの一般アパレルラインの業態だ。#ワークマン女子との違いは、男性向け商品も充実させていること。#ワークマン女子の店内商品の60%は女性向けだが、ワークマンカラーズは男女の商品比率が1:1である。現在は銀座に1店舗の実験店舗を構えている。
ワークマンはプレスリリースの中で「#ワークマン女子店の知名度を地方で高めるための広告塔であった都会/商業施設内/直営出店を一段落させて、本命の地方/ロードサイド/フランチャイズ出店へ重点を移行します」と述べている。
一般アパレルへの路線変更を維持したまま地方出店にも舵(かじ)を切るわけだが、地方部は女性の人口減少が問題になっており、女性向けラインだけでは経営がままならない。そこで、同じく一般アパレルでありながら男性向け商品も多いワークマンカラーズの出店を増やす、というわけだ。
ここで注意したいのは、リリースでは「男性向け商品の拡充」がうたわれているだけで、「作業服ラインへの再注力」は明言されていない点だ。リリースでは「#ワークマン女子店は既存店と性別で差別化しようとしたが、ワークマンカラーズ店は製品を専売化して既存店との違いを出す」としており、プライベートブランドの拡充によって既存のワークマンとの差別化を図るとされている。
具体的にそのプライベートブランド商品として挙げられているのが、快適普段着シリーズだ。シンプルなベーシック衣料品のシリーズで作業服を得意としてきたワークマンならではの質の良さと、男性に好まれるシンプルなデザインで勝負する。つまり、必ずしも職人向けの服を再び多く扱うわけではなく、男性向け商品を増やすにしても、「元のワークマンへ戻る」わけではないのだ。
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