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どうなる「『#ワークマン女子』やめます宣言」 3回目の衣替えは単なる「迷走」か(3/6 ページ)
#ワークマン女子がワークマンカラーズに名称変更される。その背景にある戦略と真意とは?
一般アパレル化を進めてきたワークマンの次なる一手
ワークマンは1980年代に誕生し、職人向けの店として全国にフランチャイズ展開をしていた。しかし2018年以降、それまでの顧客層からの拡大戦略を取りはじめた。専務の土屋哲雄氏が多くの自著で述べているように、作業服業界のシェアを巨大に持っていたとしてもその成長には限界があると分かったからだ。
そこで、作業服として作られたワークマンの製品はアウトドア用にも使えることに目を付け、アウトドア市場への参入を図った。2018年にアウトドアラインを拡充したワークマンプラスを出店。この出店は大当たりし、2020年3月期はチェーン全店売上が1220億円(前年同期比31.2%増)、営業利益192億円(同41.7%増)を達成した。
しかし、2022年に最高売り上げを記録して以降、キャンプブームが下火になったことなどを受けてワークマンプラスの収益は悪化。利益の面ではぐらつきもある。
特に#ワークマン女子(ワークマンカラーズ1店舗を含む)は、既存店売り上げが2024年で前年比マイナスになっていることもあり、開店特需の反動もあったにせよ、リピーターの確保がうまく進んでいないのが現状だ。
とはいえ、こうした不安要素がありながらも職人服専門店時代よりも大幅に高い利益を出していることから、ワークマンの転身は、現時点では成功といって良いだろう。#ワークマン女子をワークマンカラーズに変更することも、こうした一般アパレル化の流れを進めて収益を向上しようとするもので、ポジティブな変化なのである。
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